■DIC EP株式会社鹿島工場での爆発事故について 株式会社DIC 社長   猪野 薫 様 DIC EP株式会社社長 谷川 栄司様 コーポレートコミュニケーション部 御中  私たちは、農薬をはじめとする化学物質による環境汚染・健康被害を出来るだけ減ら  そうと運動している市民団体「反農薬東京グループ」です。  去る9月6日、貴社鹿島工場のEPプラントのタンクで爆発事故が発生し、関連会社の方 がひとりお亡くなられ、ひとり負傷されたとの報道に接しました。なくなった方のご冥 福を祈るとともに、ご遺族にお悔やみ申し上げます。     今回の爆発事故について、わたしたちは、いくつかの懸念をいだいており、下記の  お尋ねと要望をしますので、10月20日までに、標記へご回答お願いします。 ***お尋ねとお願い及び[回答](10/18) 1、今回の爆発事故について、 (1-1)日時を追って、その経緯を教えてください。 (回答)2018年9月6日(木)午後1時50分ごろ、DIC EP株式会社鹿島工場  (茨城県神栖市東深芝18)のエンジニアリングプラスチック製造現場にて、  屋外タンク(原料であるパラジクロルベンゼンを保管)での工事作業中に  タンク上部で小規模な爆発が発生しました。爆発は瞬間的なもので、その後火災は  継続して発生していません。液状の化学物質は漏洩していません。 (1-2)消火活動や救助活動はどのようにされましたか。 (回答)上記状況のため放水などの消火活動はしていません。事故発生後、ただちに  消防に通報し、救助活動を実施しました。 (1-3)周辺住民への通報はどのようになされましたか。 (回答)地元の鹿行県民センター、神栖市環境課へ事故発生の通報を行っていますが、  直接弊社から周辺住民の方へは広報しておりません。なお、最も近い住宅地域は 約1キロメートル離れています。 2、爆発による環境汚染と周辺への影響について (2-1)工場内の人的、物的被害はどのようなものであったか教えてください。 (回答)人的被害としては、工事作業を担当していた協力会社従業員2名のうち、  1名がお亡くなりになりました。1名が重傷(脚部などの骨折)となっています。  物的被害としては、爆発したタンク1基の天板が破損・変形しました。 (2-2)工場周辺地域の人的、物的被害はどのようなものであったか教えてください。   (回答)工場周辺地域からの被害報告はありません。 (2-3)本件爆発事故により、どのような化学物質が、環境中に放出されたとお考えですか。 (回答)タンク内で気化したパラジクロルベンゼンは極めて短時間で燃焼したと  考えており、環境中への化学物質の放出はほぼないものと考えております。 (2-4)工場内及び周辺の大気や水、土壌汚染、煤類について、どのような調査をされ、 その結果、どのような化学物質がどの程度検出されたかを教えてください。  採取場所ごとに、採取試料、採取日時とともにお願いします。採取場所については 地図をお示しくだされば幸いです。 (回答)調査は実施していません。尚、調査の必要性については検討して参ります。 3、ダイオキシン類について  パラジクロロベンゼンは有機塩素であり、それ自体にダイオキシン類が含まれるだけ でなく、燃焼や加熱の影響を受けると、ダイオキシン類が新たに発生する危険性がある と考えます。 (3-1)当該事故に関連して、タンク内のパラジク及び事故排出物や残渣、工場内外の大気 や水、土壌などのダイオキシン類の調査を実施されましたか。  されておれば、どのようなダイオキシン類の同族体・異性体がどの程度検出されたか、 また、TEQ値はどうであったかを教えてください。  採取場所ごとに、採取試料、採取日時とともにお願いします。採取場所については 地図をお示しくだされば幸いです。 (回答)調査は実施していません。尚、調査の必要性については検討して参ります。 (3-2)ダイオキシン類発生の危険性に関して、工場関係者、消防関係者、周辺住民に  どのような注意喚起を実施されましたか。 (回答)注意喚起は実施していません。 (3-3)ダイオキシン類が発生した場合、その浄化対策はどのようにされますか。 (回答)環境省指針(ダイオキシン類土壌汚染対策事業実施要項)にしたがって  対策することとしています。 4、事故原因の調査について  調査中とのことですが、調査結果を教えてください。 (回答)警察、消防と協力して引き続き調査中です。 5.追加のお問い合わせ(10月5日)  報道によると、爆発したタンクには、パラジクロロベンゼンが、約110トンはいって いたとありました。多分、貴社で、製造されているPPS樹脂の原料と思いますが、 この点もご確認ねがいます。 (回答)報道の通り、当該タンクにはDIC EP鹿島工場で製造しているエンジニアリング  プラスチックの原料であるパラジクロルベンゼンが約110トン保管されていました。 以上