生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定について(第二次答申案)に対する意見 --------                       2020年4月17日 環境省水・大気環境局土壌環境課農薬環境管理室御中  反農薬東京グループです。本日、13:58:20 に貴室に送付した表記の意見を、本メール とサシカエてください。  ★印のある 理由を追加しましたので、よろしく。                       2020年4月17日 環境省水・大気環境局土壌環境課農薬環境管理室御中 【意見1】わたしたちは、第一次とりまとめ案について、下記のパブコメ意見をのべた。  http://home.catv.ne.jp/kk/chemiweb/kiji2/kan181215.txt  そこでは、『<生活環境動植物>を<生活環境動植物・生態系>とする』『貴省は、 生活環境動植物・生態系の影響について、毒性試験、ばく露評価及びリスク評価の内容 を検討するとのことだが、これらは、予防原則の立場で、実施すべきである。』 『登録申請しようとする農薬が、自然界でどのような影響を与えるかを判断できるフ ィールドでの生物調査データ(せめても、一定面積以上の圃場やバイオトープでの試験 データ)を提出させ、専門家だけでなく、国民の手で、登録や適用の可否を決めること を求める。』  『水産動植物の登録保留基準設定に際して、環境中の予測濃度が算定されいるが、こ れはあくまで、予測濃度であり、フィールドでの実態濃度とは異なるため、登録メー カーには、期限を設けて、自然環境やフィールドでの農薬環境汚染調査を義務付けるべ きである。』  などである。しかし、一次とりまとめでは、とりあげられていない。  また、個別生物にたいする意見として<ミツバチやポリネーターについて>以下の主 張もした。  『花粉媒介昆虫への影響試験を義務づけ、毒性に応じて、ランク付けを行い「蜜蜂等 危害性農薬」(仮称)を指定する。たとえば、ミツバチについては、以下のような試験や 調査をして、ランク付けすべきである。   (1)ミツバチの帰巣能力、社会性のある行動への影響、   (2)当該農薬に対する忌避能力、繁殖能力、免疫力への影響、   (3)直接被曝、経口摂取 致死量以下の農薬被曝による蜂群への影響   (4)フィールドでの花粉の農薬汚染、花蜜の農薬汚染、蜂の水場の農薬汚染、     溢液の農薬汚染、   (5)蜂蜜などの農薬汚染、巣箱の農薬汚染』  上記を踏まえ、まず、野生ハナバチへの評価の基礎データとなる、現在登録されてい る農薬成分の養蜂ミツバチに対する毒性試験結果の一覧を示されたい。  →【意見5】と関連する 【意見2】今回の二次案では、野生ハナバチとして、単独性の種を除外し、社会性を有 する野生ハナバチ(ニホンミツバチ、マルハナ等)の保護に限定された評価方法が提示 ているが、これは、遅きに失する。以下、案に沿って意見を述べる。 【意見3】p1の<第一 経緯>に以下を追加  ミツバチをはじめ花粉媒介昆虫は、農作物の生産に大きな影響をあたえるにもかか わらず、その個体数減少を防止するための法令はない。   [理由1]1955年、最初に提案された養ほう振興法案には、第五条(農薬使用の規制) に『農林大臣は、農薬の使用がみつばちに著しい被害を与えるおそれがあると認めると きは、当該農薬を使用する者に対し、その使用を制限し又はその使用の時期、方法等に ついて必要な措置をとるべきことを命ずることができる。』とあったが、条文化されな かった。  [理由2]2012年の養蜂振興法施行規則の改定のパブコメ意見募集の際に、毒性の強い 農薬の使用規制に関する条項を作るべきであるとしたが、実現せず、今に到っている。  「養蜂振興法」で農薬使用を規制できるようにすべきである。 【意見4】p1の32行 <原因として『農薬が』疑われるものも存在することから>に   農薬が → 斑点米カメムシ防除に散布される農薬などが とする  [理由]具体的事例として、斑点米カメムシ防除の散布農薬が原因の一つであることを、 農水省が認めている。     【意見5】p3の6行から16行にある<セイヨウミツバチを供試生物とした毒性評価結果>について、  現在登録されており、LD50が判明している農薬の一覧とその数値を示すとともに、ミツバチの 種間差による不不確実係数を10とした詳細な理由を示されたい。   →p10の11から18行の記述と関連する   [理由1]野生ハナバチ類基準値の設定には、セイヨウミツバチ成虫の接触毒性試験及び 経口毒性試験、幼虫の経口毒性試験の試験成績が参照される。  ★ [理由2]中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会(第 63 回) 資料 https://www.env.go.jp/council/10dojo/y104-68/siryou14.pd    「平成29年度農薬の花粉媒介昆虫に対する環境影響調査の概要」では、    『イミダクロプリド、クロチアニジン、フィプロニルの他、アセタミプリド、 ジノテフラン、チアメトキサム等を対象に急性接触試験が行われており、48 時間 LD50 は、 文献データから得られるセイヨウミツバチの値と比較すると 2.6〜29 倍程度低い (ニホンミツバチの方がセイヨウミツバチよりも感受性が高い)結果であった。』   【意見6】p3の26行にある<花粉・花蜜の農薬残留試験による実測値>に  水、溢液 を 追加し、<花粉・花蜜・水・溢液>とする。 【意見7】p9の5行にある<行動異常>については、その内容を具体的に記述する。  たとえば、外勤蜂ぶついては、採蜜・採花粉の採取活動、採取場所を知らせるダンス や帰巣活等、内勤蜂については幼虫への給餌や巣内の活動、女王蜂については産卵活動 など。 【意見8】p14の20行にある<ばく露が想定されないことが合理的な理由において明ら かであることからリスク評価から除外する農薬 >とは、なにか具体的な説明を求める 【意見9】p14の<今後の課題 >に以下を追加する  (1)茎葉散布、土壌処理、種子消毒のほかに、樹幹注入によるフィールドでの摂取の評価で、 ハナバチ行動範囲の作物に使用された複数の農薬を特定し、トータルの影響を評価する必要がある。  (2)水場の水分や植物の溢液からの接触や経口暴露の評価、  (3)複数の農薬が散布される場合のハナバチへの複合的な影響  (4)農薬製剤に含有される補助成分のハナバチへの複合的な影響  (5)ハナバチが有する伝染病やダニ類への耐性への農薬の影響  (6)環境中に散布される農薬と同じ成分、たとえば、衛生害虫用殺虫剤、薬事法の動 物用医薬品、不快害虫忌避剤、非植栽用除草剤、木材保存剤やシロアリ駆除剤などのハナバチへの影響。  ★[理由]中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会(第 63 回) 資料    「平成29年度農薬の花粉媒介昆虫に対する環境影響調査の概要」では、 https://www.env.go.jp/council/10dojo/y104-68/siryou14.pd   EFSAの『曝露経路において、(a)農薬処理された作物、(b)近隣作物、 (c)処理農地内の雑草、(d)農地周縁部の植物、(e)後作物等、への採餌シナリオが 想定されている。 −中略− 評価スキームとしては、製剤ごとに、「スクリーニング評価」から開始し・・・・』 とある。  以上