-Friedensdorf International-
1.ドイツ国際平和村とは?
・人道援助を目的とした,紛争などによって傷ついたり,
現地では治療が不可能な病気の子供達にヨーロッパの医療
を提供しているNPO団体。現地の医療基盤の向上にも力
を入れている。
・Oberhausen(オーバーハウゼン)市の市民によって1967年に設立。
→活動開始当初はベトナム戦争が勃発していたから
ベトナムからの子が多かった。
・現在は主にアンゴラ,アフガニスタンから子供を各国,年
二回づつ受け入れている。その他にもグルジア,アルメニア,
アゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ自治区,クジキスタン,
カザフスタンなどから子供達を受け入れている。
・平和村には常時150人前後の子供達が生活していて,病院に
入院している子達も合わせると250人ぐらいがヨーロッパに連れ
てこられている。
・ドイツのOberhausenをはじめ,ドイツ全土,隣国のオーストリア,
オランダに合計300以上の平和村と提携している病院がある。
→海外からの子供の受け入れの数は提携している病院の空きベット
の数によって決められている。
→治療費は病院の好意により無料で行っている。
2.ドイツ国際平和村の三つの柱
・オーバーハウゼン平和村
→傷ついた子供達への医療ケアとリハビリテーション
・国際平和村
→子供達の母国での活動
・平和教育活動
→平和への理解を深める活動
3.平和村が子供を受け入れる4つの条件
・母国で必要な治療ができないこと
・ヨーロッパでの治療で治る見込みのあること
・治療後,子供の帰国が家族や政府によって保証されている事
・家族が困窮している事
4.ボランティアさんの仕事
07:00-08:00 絵本を読む/着替えの準備,手伝い/汚れたシーツの交換
シャワーを浴びさせ,オムツを変える/使用済みオムツ入れの処理
朝食の準備
08:00-09:00 朝食の手伝い(場を静かにさせ,子供を座らせた上で食事をわたす)
食事後のテーブルの掃除
09:00-11:30 小さい子達をトイレに連れて行き,オムツを変える
小さい子達の歯磨きを手伝う
洗濯場の手伝い,そして衣類を大きさごとに分ける
トイレの洗浄(できれば子供達と一緒に行う)
11:30-12:00 昼食の手伝い
12:00-13:00 朝食後と同じ事を手伝い
13:00-14:00 トイレに行かせ,オムツを変える
午前と同じように洗濯場で手伝う
14:00-14:30 ボランティアの人たちでミーティング(午前と午後のボランティアの交替時間)
14:30-17:00 おやつの配布の手伝い
子供のお風呂の手伝い(男女別の日で一日おきに入浴)
子供達と一緒に遊ぶ
17:00-17:30 夕食の準備
17:30-18:30 夕食の手伝い
18:30-21:30 小さい子達の歯磨きの手伝い
小さい子達がパジャマに着替えるのを手伝う
オムツをしている子は新しいものに変える
小さい子をベットに連れて行き,寝付かせる
トイレ,フロア-,キッチンの掃除
20:00からは大きな子供達のお風呂,歯磨き,トイレなどの補助
5.行って感じてきたこと
今回ドイツの平和村に行くに際して自分の中では心に影を持った子が
多くいるのでないかと思っていった。戦争などによって心身共に大きな
傷を抱えているのではないかと思っていた。
しかし,実際現場に行ってみるとアンゴラやアフガニスタンから来た子
供達の輝くような笑顔が目に付いた。外で走り回って,ケンカして,遊んで
普通のことなんら変わらなかった。
しかし,よく見てみると子供達の中には足のない子,銃に撃たれた傷を
持つ子,両手のない子,体中やけどをしてしまっている子供達がいた。
子供達は彼らの祖国で怪我した多くの子供達の中から選ばれてきている。
それは上にあげた四つの条件をクリアーして,厳選な審査をした子達である。
彼らの傷の理由は問われない。遊んでいて大怪我をしたかもしれないし,
戦争に巻き込まれ,もしくは戦争に参加して怪我をしたのかもしれない。
平和村でお世話になったスタッフの人に一つ質問をした時があった。
”彼らに怪我による心の傷を負った子供とかはいないのか”と。
答えとしては小さい子に関してはそういうものはほとんど見えないような気が
するというとのことであった。しかしそれを言うと同時にスタッフの人は
”彼らにとっては戦争とかが日常となってしまっているのかもしれないね”
とも言っていた。これを聞いた時,正直すごくショックと怖さを感じた。
武器などによる戦いのある日常。その子達に戦いのない平和というものは
想像する事はできるのであろうか?彼らの中で戦いが当たり前の日常となって
しまっていたら彼らが大人となった時ももしかしたらまた戦いに参加して
しまうのであろうか。そう考えるととても怖くなった。
絶対に戦争が日常なんておかしい!!!!
それを強く感じた。