ミュージカル・ロマン
「あの日みた夢に」 − シカゴ・アンダーワールド・ブルース −
東京特別公演お茶会 2004年8月28日(土)



<匿名希望さんのレポートです>


「 」内が天勢さんの言葉、――の後に続くのが司会の方の言葉です。
(※内容は趣旨の変わらない程度に編集してありますので、あらかじめご了承ください)


          〜〜**〜〜**〜〜**〜〜**〜〜**〜〜**〜〜**〜〜

 
 公演の挿入歌「アンダー・ワールド」のBGMと共に登場。上は白のノースリーブのブラウスで、胸元にはご本人の顔よりも大きなリボン。ボトムは艶感のある黒い生地で出来た膝下丈くらいのフレアスカート。こちらも腰周りにたくさんリボンがついていました。髪は金髪で、前髪を多めに切りそろえて、サイドとバックの方にはくしゅっとしたパーマ。口紅はピンク系でした。
 娘役に転向して初めてのお茶会ということで、どんなファッションでいらっしゃるか楽しみでしたが、モノクロで渋めながら全体にふわっとしたロマンティックなラインでまとめていて、お似合いだったと思います。



■ 乾杯の言葉とあいさつ

──本日の千秋楽、おめでとうございます。

「ありがとうございます」

──お疲れさまでした。まず乾杯をしたいと思いますので、天勢くんから一言お願いします。

「はい。えっと、なんかいいですね、千秋楽のお茶会って。私が一番ホッとしてたりして。なんて言ったらいいんでしょう。あのぉ、今回は本当に特別なお茶会で、今日こうして千秋楽を迎えた後に笑顔でここに立っていることが出来るのは、本当に見守ってくださった皆様のおかげだと思っています。なので、今日は、その私を支えてくださっている皆様と楽しい時間を過ごしたいと思います。では、乾杯!(会場から数人が「乾杯」)ちょっとしんみりしちゃった感じかな(会場笑)。元気が無い感じ(笑)」

──天勢くんは7月15日付で娘役に転向されました。会員の皆様には天勢くんのメッセージを送らせていただきましたが、天勢くんの口からお気持ちをフリートークでお願いします。

「そうですね、あのぉ、もう本当に皆様をパニックとショックのどん底に叩き落したような感じでしたよね。本当にだからそれはごめんなさいって思って、『スサノオ』の公演中とか喉元まで出てて言えなかったので、発表になった後は皆の顔を早く見たかった。でも、転向が決まってから発表までにすごく時間があった私ですら、実際に娘役としてスタートするまでに気持ちを整えるのに時間が掛かったので、それをいきなり知らされちゃった皆様のことを思うと、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
 でも、お稽古が始まって、励ましのお手紙とかで、男役とか娘役とかではなくて天勢いづる自身のことが好きです。だからこれからも変わりませんっていうような声を皆さんからたくさん寄せていただいたことが、本当になによりも、三度のご飯より私のエネルギーになりました(会場笑)。本当にありがとうございました。でもこれより痩せるとちょっとホントに大変なことになるのでちゃんと食べましたけど、全然元気なんですよ、食べてるんですけれども、その期間は特に皆様の温かい気持ちを感じました。
 今までもファンの皆様に支えられてるなと思ってずっと7年間やってきたんですけれども、今回のことがあって、舞台で娘役をやるという“1粒で2度おいしい”タカラヅカ人生なだけではなくて、私生活の部分でも男役を続けていただけではわからなかったぐらいの皆様の温かいお気持ちやいろんなことを改めて感じられたことが一番良かったなと思っているので、その気持ちをこれからもずっと忘れないで、娘役研1のつもりで、ホントに研1なんです(笑)。もう、手取り足取り。今、舞咲りんちゃんと神麗華ちゃんのことを『先輩!先輩!』って追い掛け回してるんですけど(会場笑)、かつらのことから何からもう全部やってもらって教えてもらって。
 ホントに、今からスタートのつもりで初心を忘れず、皆様の温かい気持ちに支えられてるという心強い励ましと皆様のお気持ちを忘れないで頑張っていきたいと思いますので、これからも見守ってください」



■ 質問コーナー1(娘役への転向について)

──それでは、娘役研1の天勢くん、どのような娘役になりたいですか?

「そうですねぇ、えっとぉ、最初はちょっとまじめぶってしゃべってみましたけど、中身は全然変わってないんですよ(笑)。楽屋とかでも全然変わってなくて、ドラマシティの楽屋は個室なんですけど、青年館は壮さんと同期3人(天勢さん、聖れいさん、安城志紀さん)の4人部屋なんですけど、“野郎部屋”って呼ばれてるんですけど(会場笑)、下級生の子とかもガラッて開けて『うわっ、この部屋すっごい野郎部屋ですよね』とか言って、『あたしあたしあたし!』とか言ってアピったらみんな、『すいませんでした〜(><)野郎部屋じゃなかったよ』とか言って。で私が、『紅一点だから!』とかってアピるんですけど、そのたんびに壮さんとか同期とかからすっごい白い目で見られて、『だいたい自分からそういうことを言ってる時点でダメだよね』とか言われて、『ホントの娘役はそんなことアピったりしないよ』とか言われて(笑)。
 で、化粧前も紺なんですね。スリッパは紫なんです。みんな『なんでピンクとかフリフリじゃないの?』とか言って、『そこがいいとこじゃん』とか言って(笑)。で、休憩時間は、野郎部屋でみんなでお弁当を食べながら、オリンピックを見たり新聞を読んだりしていますね、はい。……あ、いや、違う!質問と全然違うじゃないねえ!(会場笑)どんな娘役を目指してるかっていう質問ですよね?!楽屋ライフを説明しちゃって!(会場笑)えーと、まあやっぱり、7年間やってきたことがあるからこそ、私にしか出来ない、カッコイイ女性も、でも可愛い女性も……カッコイイ女性っていうと大人っぽいイメージだけかなと思いきや、少女のような色合いも出せたり。で、そうですね、やっぱり、んー、年齢不詳、性別不詳な感じでいたいですね」

──素敵なことですね。

「そうですか(笑)」

──じゃ、こんな役を演じてみたいとか、そういうのはありますか?

「んー、そうですねぇー。今はぁ、具体的にこんなっていうのは無いかな?具体的には無くて、うん、あのぉ、いろいろなものにチャレンジしていきたいなというのはありますね」

──男役時代のことですが、一番思い出に残る役を教えてください。

「そうですねー、んー、なんかこう、振り返るとなんか寂しいかと思ってたんですけど、あんまり寂しくなくて、なんか、ん……、なんでしょうねぇ、男役時代のビデオとか、恥ずかしくて見られないですよね。なんか、あのぉ、『なんだこれ?』みたいな(笑)。
 一番印象に残っているのは、……やっぱり、新人公演のディディエとか。男役をやっていたときは、龍馬とか野依知親とかがすごく印象に残っていたんですけど、娘役になって、今周りの人が背広とか着てるからかもしれないですけど、ああ、あのとき、すごく男役とはとかすごくいろいろなことを考えてやっていたなって思うと、今は新人公演のディディエがすごく印象に残っていますね」



■ 質問コーナー2(公演について)

──ありがとうございます。それでは公演のお話をお伺いしたいと思います。この公演で天勢くんは“ナイスバディ”なスージーを演じていらっしゃいますが、役作りで工夫した点、苦労した点を教えてください。

「そうですねー、今回は本当にもう、この作品とメンバーと先生と、スージーという役自身にも感謝しています。もうあのぉ、これからも皆様も徐々にいろんな姿に慣れていっていただけたらと思うんですけど、まだちょっとなんかあの、入りやすい感じだったでしょ?(会場に向かって)でしょ?なんて、すごい強要してますけど(笑)。
 でも、最初は声のトーンのこととか、立ち居振る舞いのこととか、がんじがらめになっちゃうと思ってたんですけど、意外と自然に入れたし、見ていた人も転向した人の独特のなんかこう……こう……“転向したて期間!”みたいなのがあると思うんですよ、でも、下級生とかからもお稽古場から『ホントに怖いぐらい無いですよね』って言われて、一応それは褒め言葉かなって思って、『あ、そぉ?』とかって言ってたんですけど。
 苦労したっていうのは、逆に無い……無くはないんですけど、お芝居とかも気持ちのこことかも全然できなくて、お稽古場で上級生の方にずっと見ていただいて、先生のOKもなかなか出ないとかあったんですけど、なんかやっていると今は毎日が本当に楽しいです。スージーとして生きられることがすごく楽しい」

──スージーの生い立ちや、マイケルとの出会い、年齢やお仕事について語っていただけますか?

「年齢はですね、17歳です。ハンキーが18歳。シービーは15歳でちょっとおっさんくさいシービーですね(会場笑)。あ、すっごい、反応が(笑)。まあ、なおこ(貴船尚さん)はオヤジですから(笑)。で、みんなでちょっと話になったときに、ハンキーとスージーはどっちが最初にマイケルに弟子入りしたんだろうっていう話になって、スージーが一番なんですね。で、あのぉ、小っちゃい頃からシカゴに住んでるんですけど、物心がついたときにはもうお父さんもお母さんもいなくて、小っちゃい頃から男の子とかに混じって特に意識することなく、なにかかっぱらいとかをやったり……シービーみたいな感じですよね。
 で、そんなところを助けられたのがマイケル兄貴とのご縁で、で、なんかこう、くっついて歩いてるうちに自然と……。マイケル兄貴も物好きですよね。あの、ロッキーみたいに、いかにもこわもてのリーアムとかトニーを連れてればいいものの、本当に使えないハンキーとか、こんな“男だか女だかわかんない”スージーを連れて歩いてるんだから(笑)。でも、そんな兄貴だからこそ知らない間について弟分になってた、みたいな感じではないかと思っております」

──今回その髪型とかは役に合わせてなさったんですか?

「そうですね、もう、んー、短いので、いかに短くなく見せるか。意外と本当の長さよりも長く見えるみたいですよ。たぶんすごい伸びてるとも思いますけど。先生も地毛でいった方がいいんじゃないかとおっしゃってくださったので。それで、男役のときからそうでしたけど、割と行き当たりばったりなんですよね。計画性が無いというか。
 今の髪型も美容院に行って『とりあえずこんな感じでパーマを当てたら、ちょっとは長く見えるかなー』って言って出来上がったのがこんな感じで。『お任せします』とかって言って、美容院でずっと寝てて、『終わりましたよ』って言われて起きたらこんなんなってるみたいな。相変わらずそんなんです(笑)」

──スージーのような女性を、同じ女性としてどう思われますか?

「んー、でもねえ、ちょっとねえ、性格とか似てるかもしれないですよ?あのぉ、好きな人がもしいても、面と向かって好きとか言わないと思いますしね。たぶん。私、んー、なんか、そうだなー……。だから、けっこう、地の私に近い部分を持っているから入りやすかったのかもしれないし、お稽古場じゃなくて舞台に来て、やってる間に、どんどん自分とスージーが近くなっているような感じで。ですね」

──好きなセリフはありますか?

「好きなセリフですか。“ナイスバディ”じゃないですよ(会場笑)。ホントね、失礼ですよねー(笑)、なんかね、私が“ナイスバディ”って言っただけで笑いが来たりね、いつだったかな、私が『私みたいなナイスバディがそばにいりゃ』って言ったら、ちょっとだけ間が空くじゃないですか、そこで客席から、『ナイスバディって……』って突っ込み来たの!(会場笑)『ええっ?!突っ込まれたけど?!』とか思いながら続けたんですけど(会場笑)。
 そしたらね、すごいハンキーとシービーがフォローしてくれて、『あれは本当にナイスバディの人が言っても面白くないですよ。もう、その体型は国宝級だから』とか言われて(会場笑)。なんか、褒められてるんだか丸め込まれてるんだかよくわかんないなと思いながら(笑)。
 で、あるとき、『男だか女だかわかんない』って言ったらね、笑いが起きた日があったの!!で、すっごいね、『笑うとこじゃないから、ここ!!』とか思って!!で、コムさんに『笑いが来ましたよね』とか言ったら、『笑われてたねー(笑)』とか言われて(笑)。『そういう問題かよ』と思いながら(笑)」

──けっこうでもその場面はいつも笑いがあるような気がするんですけど。

「えっ?!『男だか女だかわかんない』とこ?!」(会場笑)

──はい。

「へっ?!」

──たまたま、ですかねぇ。

「なぁにぃ?!それ!!」

──3回くらいは聴きました。

「え、それは、おふじ(紫友みれいさん)の言い方がおかしいんじゃないのっ?!(笑)」

──そ、そ、そ、そ、そうでございますね(笑)。はい(笑)。2幕の初めで緒月さんと貴船さんと3人で客席に絡んでいらっしゃいますが、3人で毎日考えていらっしゃるんですか?

「それも、ほとんど、2人がいろいろネタを考えてくれて、だんだんエスカレートして来ちゃって、最初は私はロッキーのこととか考えてて、2人が大騒ぎしてて、なんかずっとこう考え込んでてセリフに入るみたいにしないと、突然唐突にロッキーとエリーの話なんかできないよねとか言ったら、『じゃあ、ちぃさんは考えててください。私たち適当に騒ぎますから』とか言って、そういう感じだったんですよ。
 でもなんだか舞台に来たら、全然なんか、『ノっても入れるよね』とか言って。そういう話になって。で、『今日はじゃあ、こうしてみようと思うんですけど、ノってもらっても無視してもらっても、どっちでもいいので』とか言われて、『わかった、じゃあ、適当にする』とか言って。適当にするとか言って、2人から突然アドリブでああいうことするの辞めてくださいとか言われて。だから2人にも言いました。『計画性が無いから、本当に自分でも何をするのか分からないので、ごめんね』って言ったんですけど。だから基本のネタは2人が考えてくれます。それに私が行き当たりばったりなことを私が言ってノってるという感じです」

──これまでの公演の中の、一押しのアドリブを教えてください。

「一押し?なんだろうなー。後半になってだんだん面白くなってきたかな。面白いなと思ったのは、私が撃たれたやつを見た方はいらっしゃいますかね?(会場の数人が挙手)あ、けっこういらっしゃいますね。ゴッドファーザーごっこをして遊びながら私たちが裏町を歩いてるんですよ。んで、ハンキーとシービーが、♪タラララララララララララ〜って言ってテーマを歌いながら出ていって、ハンキーが『お前ら覚悟しろ!撃つぞ!!』とか言って、撃つんですよ。でも、お客さんとかみんな『え?』みたいな感じじゃないですか(笑)、そこですごい演技派の人が座ってたらビックリしちゃうんですけど(会場笑)。そしたら計画が崩れちゃって私たちがオタオタしちゃうから、黙って見ていていただいていいんですけど(会場笑)。
 で、あのぉ、シービーだけが撃たれて、私はすごいしらけて見てるんですよ、で、ハンキーがシービーに『お前だけだよ、ノってくれたのは〜!』って言って、また歩いていくんですけど、2人がスージーに振り返って私を撃つんです。そしたら、ノらないと思って撃つんですけど、私がすごい撃たれた演技をするんですよ。すっごい大げさにもがき苦しんでるのに2人は行っちゃって、で、私が、『珍しくノってやったのに。待ちなよー!』って言って追いかけ行って舞台に上がるっていうのが、ダメかなぁって言ってたんですけど意外に良かったみたいで。
 あとは客席でウサギ跳びをしたやつかな?そう。『マイケル兄貴みたいに強くなろう!』『俺たちも鍛えなきゃ!』って言って、客席の通路を3人でウサギ跳びしました。それとかは面白かったです」

──それでは、ドラマシティ公演もますますアドリブ度が増す……。

「そうですね。あのぉ、もう、あまり期待されすぎても困りますね(笑)」

──スージーはマイケル兄貴のどこに惚れましたか?

「マイケル兄貴の?なんでしょうねぇー。ずっと側にいるから、自分が好きだということに、自分の気持ちにも最初気づいてないですね。それが、『今度スージーに手を出したらただじゃおかないぞ』って言われたときに、なんかちょっと……心が……自分の心はそうなんだけど、なんかちょっと気づくものがあったんじゃないかと。ま、スージーもちょっと大人になったっていうことですねっ。はいっ。終わりっ!」

──今回の公演で、思わず男役の仕草が出てしまったと思ったことはありますか?

「えーっとですねぇ、本人はそんなつもり無いんですけど、皆様にはそう映っている部分が多々あると思いますが、そこはお許しいただいて。初日ね、やっぱり、いつもの初日と違って自分も緊張していたみたいで、そしたら、お化粧してたらもみあげを描こうとしたらしいですね(会場笑)。同じペンシルを使ってますから、眉毛を描いたらもみあげを描くっていうのはもう、7年間やってきたんですよ。したらね、眉毛が終わったら、耳の脇にペンシルを持って行ってる自分がいて、『もういらないんだぁ〜!』って思って慌てて消しましたよね(笑)。そしてみんなに言ったら、『緊張してんの?緊張してんの〜?』ってすごい嬉しそうに言われましたけど(笑)」

──今度フィナーレなんですけど、髪飾りはどのようの仕組みになっているんですか。

「あれはですね、すごいもう、組長さんとか先輩とかにね、ホントに手取り足取り教えていただいて。仕組みはですね、なんかこう、唐草模様の網みたいのに三つ編みになってる毛の質のものがあるんですけど、それを、後頭部を押さえてガッとつけてるんですけれども、意外とその仕組みがわかんないみたいで、どうなっているんでしょうって言われて。言われるとちょっと得意なんですけど。『わかんないだろー』とか言って(会場笑)」

──次の大劇場公演から、もっともっとアクセサリーや髪飾りなどが大変になっていくと思うんですけども、傾向と対策をお聞かせください。

「あっ、対策ですかねぇ(笑)。どうしましょうねぇ、ホントにねぇ。ホントーにぃ、あの……どーーーしましょう……本当ーにねぇー、困りましたねぇー。全部に本物にしていただきたいくらい、床山がつらで、全部羽二重で、ツルッ、もう〜カポッ!みたいなのに全部したいぐらいです(会場笑)。ホントに。日本物のショーにしか出ません!みたいなね(会場笑)、感じで。全然対策も何にもなってないですけどね(笑)。んー」

──じゃあ、ドラマシティが終わってから、傾向と対策を勉強されてください。

「そうですねー、髪を伸ばしてですね、はい。ちょっと、あの、無いですかね、手先が器用になるなんかこう……ないですか?すごいね、すごいダメなの。もう(笑)」

──がんばってください。

「心優しい方は手伝ってください。縫い物とか縫い物とか縫い物とか(会場笑)」

──はい。ではあの、今回コムさんと組まれて踊られたり、またソロで歌われたり、いろいろ活躍されてるんですけれども、いかがですか?

「いやもういっぱいいっぱいです(即答)(会場笑)。いっぱいいっぱいっす」

──あのぉ、コムさんは、ど、どうでしょうか(会場笑)。

「はっ?!なんだその質問は?!(大笑)どうでしょうもこうでしょうも。緊張しますよそんな。お稽古場では、なんかタンゴで出会って座るのがあるじゃないですが、お稽古場では私、まともに座れたことがなくて、いっつもグラッとかガタッとかなって、コムさんに『大丈夫ぅ〜?』とか言われて……(笑)。『すいません』って(笑)。舞台ではコムさんが引っ張ってくださってるんで、あの、失敗したことはないですけど、わかりません。いつ失敗するか。そんな自分にも、自分が心配でしょうがないですね。何をしでかすかわかんないですもん、自分が」

──ありがとうございます。

「歌もいっぱいいっぱいっす(会場笑)」



■ 質問コーナー3(TCAスペシャルについて)

──はい、じゃあ、TCAのお話をちょっと伺いたいと思います。今にして思えば男役として最後のTCAでしたが、いかがでしたか?

「ねー。でも、あの、最後に私は『スサノオ』で……『スサノオ』は民ですけど、ショーでは白燕尾と黒燕尾で大劇場公演を締めくくって、最後がTCAという大きなイベントで、しかも今年は5組そろって出れたし、勝手にひとりで思ってたんです。同期5人(愛音羽麗さん、紫城るいさん、天勢さん、彩乃かなみさん、悠未ひろさん)出てるじゃないですか、で、ピンクのお衣裳で大・中・小みたいに並んで歌ったじゃないですか(会場笑)、背の順ってわけじゃないんですけど、それで並んで歌ってて、写真撮ったり、男役だけで撮ったりして、『これが今は男役と娘役が2:3だけど、3:2になるんだな』とか思いながら……。
 でも私、ホント写真撮らないんですよ。研1のときはカメラ小僧みたいな感じで取ってたんですけど、あるときから写真の収拾がつかなくなっちゃって、それ以来全然撮らなくなったから、TCAのときだけは撮ろうと思ってたのが、それがこないだ緒月とかに言われました。『だから写真撮ってたんだ〜』って言われて、『え、じゃあ私わかりやすいね。今度私があんな勢いで写真撮ったときは辞めるときだと思って』って言って(笑)。『またまた……』とか言って(笑)。
 でも、だからすごいそんなイベントで男役ラスト・デーですね。しかも、7月14日ですね。あの、フランス革命の革命記念日と一緒なんです。だからなんだよっていう感じですけど(会場笑)。ただの偶然だろみたいな(笑)。なんですよ、だから、一生忘れませんよね」

──はい、いい記念になりましたね。

「なりましたねー、ホントに」



■ 記念撮影

 テーブルごとの記念撮影でした。撮影を済ませた方々が、口々に「細いね〜」「可愛いね〜」とおっしゃって帰ってくるのが印象的でした♪

──スカートでの記念撮影はいかがでしたか?

「いかがも何も無いよね。もう、足を閉じるのにいっぱいいっぱい(会場笑)」



■ ゲームコーナー

 タイトルは、「ロシアン・ルーレット天勢くんは当てられるかな」。テーブルの代表者2人が順番に小さいシュークリームとクラッカーを食べるのを天勢さんが観察をして、誰がわさび入りのものを食べたかを当てるというゲームでした。
 天勢さんは2回とも当てられず、「いいのいいの!私よく言われるの。人を見る目が無いって」と、少々スネ気味の天勢さんでした(^-^;A



■ 続・質問コーナー

──スカートに関する質問が多かったのですが、ズバリ、スカートの履き心地はいかがですか?

「履き心地?スースーしますよね(笑)(会場笑)」

──宝塚に入られてからは久しぶりですか?

「久しぶりですね、はい」

──街中で女性に目が行ったりとかは……。

「しないです(笑)」

──今日のスカートも可愛らしいですけれども。

「ありがとうございます(消え入りそうな声)」

──服装の色や好みのデザインは、娘役に転向されてから変わったりしましたか?

「いや、あんまり変わってはいない……って言っても、着てるものは実際すごい違うんですけどぉ。好みとかは別にそんなに……。突然フリフリヒラヒラが好きになったとかそんなことは無く、そんなものも着てみようかなという……はい。
 宝塚でお稽古中に、お稽古ではスージーのような服装に近いっていうか、動きやすいものだったので、ジーパンとTシャツに、夏なのでなぜか下駄を履いて自転車に乗って毎日劇団に行ってました(笑)。はい」

──スカート姿で楽屋入りするお気持ちは?ということなんですけれども。

「お気持ちはですねぇ……(笑)。んー、どうかなぁー。んー……。ちょっと、ちょっとだけ恥ずかしいですけど。だいぶ慣れてきました。1週間公演をしまして」

──楽屋でオリンピックはご覧になられるんですか?

「見てました、みんな」

──興味のある種目はなんでしょう。

「私はですね、シンクロと新体操が見てておもしろいので。すごいですよね、あのロシアのシンクロ。あれは……すごいですよね、もう。同じ人間とは思えない動きっぷりですよね。すごかったぁー。すごかったです」

──天勢くんがもしオリンピックに出られるとしたら、どの種目に出たいですか?

「出たい?!見るのはいいですけど、シンクロは出来ないですよね。うーん、出たい?運動会に出たくないくらいだから、オリンピックは出たくないですよね、絶対にー(笑)(会場笑)。絶対に出ない!いい、もう。誰も頼まないと思うし」

──その運動会なんですが、詳細はもう決まっているんですか?なんの種目に出るとか……。

「なんか全然まだ決まってなくて……。私ね、こないだすごい大勘違いをしてて、何日かにタイムを計るからその日は空けておいてくださいって連絡が回ってきたの。それは9月の何日かって話だったのに、私今度青年館の公演中に神宮球場かなんかを借りてやるんだと思って(会場笑)、それで、言ったんですよ『運動会のお稽古やるらしいよ』とかって。で、みんなに『でも大変だよね、公演中にそんなのしてさー、もしさー、ケガとかしてなにかあったらどうするんだろうねー』って言いながら楽屋に行ったら、『公演中!?』って言われて。『え、だってさー、走るんでしょう?終演後に走るんでしょう?次の日も早いよね?!』とかって言ったら、『アンタなに言ってるの』とかって言われて(会場笑)。
 それで、『えーーー!!9月だよー!』って、変更した仕事とか予定とかを『すいません、勘違いしてましたー』とか言ってまた戻したりして。大笑いされました。『さすがですね』とか言われて。なにがさすがだよ!とか思ったりして(笑)(会場笑)。よかったですよ、でも気づいて。だって気づかなかったら。終演後、私ひとりで神宮球場行っちゃうとこだったもん(会場笑)。誰もいないよー、みたいな。みんなおっそいなー!おじけづいたかみんな!みたいな(笑)。ホントよくわからないですね(笑)(会場笑)」

──はい。もう夏も終わりですが、天勢くんの夏の思い出は何かありましたか、子どもの頃のとか。

「夏の……(笑)。子どもの頃ですか?子どもの頃の夏の思いでー?はぁ、小っちゃい頃、海とか行くのホントは好きじゃないんですよ、あんまりね。好きじゃないんですけど、小っさい頃に海に行って、いくつくらいだったかな、4つか5つとかそんなくらいだった気がするんですけど、行って、小っちゃい頃から、歯列矯正をしてたんですね。でも、取り外し式の矯正装置をずっとはめてて、海の中にそれを落としたんですよ(笑)。
 で、もうね、すごいね、ホントに歯がもろくて、小っちゃい頃からずっと歯医者さんに通ってて、その矯正装置をけっこうずっとはめてたので、取り外すのを自分の舌で勝手に着けたり外したり着けたり外したりできるぐらい、巧みな業をつけてたんですよ。で、海の中でもどうやらそれをやってたみたいなんですよ。考えられないんですけど(笑)。そしたらなんかね、岸に上がってきたら無いんですよ。『あれ?無い無い無い!』みたいな(笑)。それで、いとこのお兄ちゃんが潜って取って来てくれました(会場「ええー?!」)」

──会場の皆さん、そのいとこさんにとてもジェラシーを感じてるみたいですけど……。

「感じないだろそんな!矯正装置を取りに行くのに!!ヤダよそんな!!(笑)(会場爆笑)」

──はい、素敵な夏の思い出をありがとうございます(会場笑)。

「素敵な夏の思い出です(笑)」

──で、宝塚では毎年花火大会があるそうなんですが、今年の花火大会は天勢くんはお稽古だったんですか?

「お稽古でした。はい」

──じゃ、外で花火大会をご覧になられたりは……。

「そうですねー、音だけドンドンドンドンしてましたけど。そして花火帰りの人にもみくちゃになりながら自転車をこいで帰りましたね」

──もうちょっと涼しくなってきましたが、夏でも涼しげな雰囲気を漂わせていらっしゃる天勢くんは何か暑さ対策とかありますか?

「んー、無いですね、なんにも。あっついときはあっついんですけどぉ、あのぉー……。なんでしょうねぇ……。あの、あんまり顔に出ないだけで、暑いですよ。暑いときはしょうがないので我慢しましょうね(笑)」

──……(外のスタッフさんと打ち合わせ中)

「ちょっと!終わった!!」(ツッコム天勢さん)

──はい!すいませんでした!!(会場笑)



■ 突撃質問コーナー

 抽選で選ばれた人が、直接天勢さんに質問をするコーナーでした。

【 質問1 】
 いつもお美しい天勢さんですが、そのスタイルと美しいお肌の秘訣はなんでしょうか。

「んーとですねー、肌はね、ホンットに丈夫なんですよ。だからね、お手入れはですね、一応顔を洗ったら化粧水とかはしますよ。でも、あまり、ないですね。スタイルは……国宝級ですからね(笑)(会場笑)」


【 質問2 】
 これからやりたい役などがありましたら教えてください。

「んー……。いろんな感じの役をやってみたいので、取り合えず女性限定ですよね。もう男性はできませんけれども、いろんな役をやってみたいと思っております。でもちょっと、おばあちゃんとかはいきなりできないですけどね(会場笑)。やっぱり、もうちょっと芸を磨かないと。まあ、そんな感じで」


【 質問3 】
 今日のファッションのポイントは?

「ポイントですかぁ……(しばらく悩んで)。……お茶会ですからぁ、ジーパンにTシャツとかは頭の中に無いじゃないですか、だからお茶会だしなーというところで、朝起きてぇ、なぜだかこれを着ていたという、みたいな(会場笑)」


「なんか、あんまり全部答えになってない答えをしたような気がしますけど」

──ま、それが天勢くんってことで♪(会場笑)

「そう、ですか?」

──はい♪

「なんだか褒められてるのか微妙な感じですね」

──いや、褒めております♪

「ありがとうございます」

──それでは、これがいよいよ最後の質問です。今まで天勢“くん”と呼んでおりましたが、今後はどのようにしたらよろしいでしょうか。

「天勢“くん”でけっこうです(会場笑)」

──例えばなんかもっとこう、天勢……“ちゃん”?(会場爆笑)

「……オソロシィ……」

──天勢“くん”、で大丈夫ですか?

「もちろん」

──じゃあこれからも天勢“くん”で。

「でも、もし、呼びたくないっていう人がいたら、ぜひご意見を聞いてみたいです!」

──そうですねー、なにかいいニックネームをお持ちの方いらっしゃいますか?

「ちょっとなんか、動物園で生まれた赤ちゃんじゃないんだから!!ニックネーム募集中みたいな!!(会場笑)いいんですけどね」

──ではもし天勢くんが別の呼び方をしてほしいなというときがありましたら、おっしゃってください。

「はい、そのときは……」

──はい、それでは、どうもありがとうございました。



■ 抽選会

 「スサノオ」のロゴ入りメモ帳、写真、キーホルダー、プログラムなど。キーホルダーには、今天勢さんが楽屋で「スジ子」と呼ばれているとのことで、「スジ子より」のメッセージが直筆で入りました(^-^;A



■ 天勢さんへのプレゼント

 かわいらしいベージュのサンダルでした。

「すご〜い、綺麗な靴を……。お洋服もなんですけど、靴も無いのですね。だから下駄で通勤したわけじゃないんですけれどど(笑)(会場笑)。それで、足元からもエレガントな女性に近づけるようにということで、今回この靴を皆様からいただきました。ありがとうございました」

──次の東京公演からはこの靴を履いた天勢くんにお目見えできますかね。

「はい、お目見えします(笑)」

──はい、それでは皆様、この靴を履いた天勢くんに会いに来て下さい。

「ありがとうございました」



■ 天勢さんからのプレゼント


「えーと、今回はですね、わたくしのこのいっぱいいっぱいな歌はあまりにもわたくしの身体に悪いためご辞退させていただいて(笑)、で、本日は、その代わりにと言っては何ですが、つたないピアノでお許しいただきたいと思います(会場拍手)」

 白いグランドピアノで公演の挿入歌と主題歌を弾いてくださいました。

──はい、天勢くん、ありがとうございました。

「つたないピアノをお聴きいただきました。ありがとうございました」(会場拍手)

──皆さん感動の余韻に浸っていらっしゃるようですが、このような機会は滅多にありませんので、貴重な思い出をどうもありがとうございました。


「はい、いえ、とんでもないです(会場笑)。今日ほどピアノが弾けてよかったと思ったことはありません(笑)」

──ありがとうございました。天勢くんはピアノはいつ頃から弾かれてるんですか?

「ピアノはすごい小っちゃい頃からずっとやってて、もうずっと弾いてなかったんですけど、久しぶりに弾いてみました」

──今回練習したとかそういうことはなかったんですか。

「練習はできませんでした」

──もう即興で?

「もう、即興でしたぁ」

──すごいですねー。

「(笑)即興で弾いてしまったので、本番と違う調だったのでわけがわからなくなりました(笑)」

──いえいえ〜。前回のお茶会でも天勢くんのピアノで歌を歌ってくださって……。

「テープを持って来るのを忘れましたから、わたくし〜(笑)」

──その時も皆さん感動されていて、今回もまたピアノが聴きたいというご意見があったんですけれども。

「そうですか、よかったですー」

──はい、ありがとうございました。

「ありがとうございました〜」



■ 今後の予定とあいさつ

「えっと、今日でホントにあっという間で短かったですけれども、青年館公演が終わりました。でもまだ、……ん、私もスージーという役がすごい好きで、皆様に温かく迎えていただいて、だから千秋楽が寂しいなって本当に思いました。『スサノオ』のときも寂しいとは思ったんですけど、民があまりにもしんどすぎてやっと終わるって感じだったんですけど(会場笑)。でも今回はホント寂しくて、終わって寂しいけどまだお茶会でみんなに会える知っていう気持ちと、まだドラマシティがあるしって思ったので、本当に今日皆様にお会いできてよかったです。 またドラマシティはこちらよりも少し長いですけれども、スジ子頑張ってますんで、大阪にもぜひぜひ観にいらしてください(会場拍手)」

──ドラマシティが9月4日〜16日、大劇場が11月12日からなんですが、まだ集合日とかは……。

「集合日は、9月27日です」

──それまでは、長いお休みはあるんですか?

「ドラマシティが終わってちょっとだけ。でもいつも2,3日のことが多いので、少しはゆっくりできるかなと思います」

──その短いお休みでもリフレッシュして、また天勢くん、元気になってください。

「はい♪」

──じゃあ、そうですね、最後にごあいさつをお願いします。

「はい、えーとですねぇ(会場笑)、えーとですね(笑)、今もちょっと申し上げたんですけども、今回はこの転向という機会を、そのお陰で改めて本当に皆様の温かい気持ちにどれだけ自分が支えられて、だから自分もすごく頑張っていけるんだなとつくづく思いました。だからこれからもその気持ちを絶対に忘れないで、これまで男役・天勢いづるを愛してくださった皆様に、それ以上に娘役・天勢いづるを好きになっていただけるように、もっともっと元気になっていただけるように、これからも頑張って行きたいと思いますので、これからも見守っていてください。今日は本当に、ありがとうございました(会場拍手)」

──今後もみんなで天勢くんを盛り上げて行きたいと思います。

「それとあのぉ、中身は今日来てくださった方はわかっていただけると思いますが、全然変わってませんので、あのぉ、『ちょっと変わったほうがいいぞ』と思ったら、こっそり手紙で教えてください(会場笑)。もうちょっと、女らしくしますから」

──それでは皆さん、天勢くんにこっそりお手紙を書いてください(笑)。それでは天勢くんが退場されますので、皆さん大きな拍手をお願いします。

「ありがとうございました〜(会場拍手)」


            〜〜**〜〜**〜〜**〜〜**〜〜**〜〜**〜〜**〜〜


 フィナーレのタンゴの曲に乗って、会場をひとめぐり。手拍子に見送られての退場でした。

 最初は天勢さんにも会場にも緊張感が漂っていたものの、エンジンが掛かってきたらいつものとおりのぶっちぎりトークで会場は爆笑の渦。打って変わって優しいピアノの演奏ありと、とても楽しいひとときでした。娘役転向を発表されて、ご本人がどんなお気持ちでいるかなと心配していましたが、元気な姿を拝見できて安心しました。

 アクセサリーやかつらなど大変だとは思いますが、雪組には舞風さんをはじめセンスのいい娘役先輩がたくさんいらっしゃるので、見習って頑張って行ってほしいと思いました。これからは、男役へのこだわりを娘役へも繋げて、「娘役の美学」を追及して行ってくれることを期待しています♪