久々に小説を書きたくなったので・・・。

 

<2011年8月17日>  
今日も暑い。高級シャンパンを飲みながらブラインド越しに街を見下ろす。
何事も無かったように摩天楼に日が落ちる。 最上階のホテルのスィートルーム。孤独な部屋を夕日が赤く染まる。
シャンパンの瓶とキャビアの缶だけが散らばる。 Tokyoいや世界中が全てが自分のものになった。何もかも。
すべてはあの日の出来事から始まった。
最後の会話は米軍パイロットの時、実験段階だった地球外戦闘機での軍部との交信。
『MAKOTO無事大気圏から抜けたか?』
『問題なし!やっぱり地球は青いんだな』ジョークの一言も返って来ると思ったのだが・・・。  
地球上の人間だけを殺戮する<END OF THE DAY>が使われ70億の人間は一瞬にして、消えた。
人間のみが持つ特異のDNAだけを破壊する<END OF THE DAY>が開発されまだ数ヶ月というのに。
もうすでに大金も豪華な家もステータスな車も、そして服さえも意味を持たない。
<END OF THE DAY>が大量殺人兵器なのか?それとも地球環境を守る唯一の手段だったのか?  
その判断は今は解らないが、少なくとも自分にとっては悪魔の兵器に違いない。
テクノロジーの犠牲者が何不自由なく、それどころか何もかも自分のものになったのだ。
「これはこれで幸せなのか?」自問しても答えは出ない。

虚脱を埋める為に酒を飲む日々。
時間も空間も無い虚無な日々。

街はすでに存在だけを残して死んでいる。
自分たけが虚無の中で生きている。
「欲望がない」と言えば嘘になるのは解っているのに!
人と生身のふれあいがしたい!言葉を交わしたい!
「手に入らないモノが、手に届かないモノがあるのが幸せなんだな」ふとMAKOTOの脳裏を過ぎる。
それは今まで生きて来た自分とは全く逆の発想だった。
物欲、所有欲、性欲etc…。
「なぜ、あんなものを求めるために人生を犠牲にしてきたのか?」 かと言って、悟りを開ける筈も無い。
ただ、時間だけが虚しく流れて行く。

この大都会Tokyoに突然の雨が降ってきた。
自然だけは裏切らない『皮肉な雨』だった。

まだ、MAKOTOはこれから来る運命を知らないのだ・・・・。知らなければそれで済むような運命を!

To be continued(必ず何処かに続きを載せます)

 

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