こんばんは!パンチョスたんげです。
急に寒くなって来ましたねー!皆さん風邪など引かぬよう、普段からビタミンCをたっぷり採りましょう!僕も予防線を張ってガンガン採ってますよ。お肌にもイイし!(笑)
今日は、僕がたまに行くJAZZ BARでの話です。
 

いつものように、マスターが静かに針を落とす。マスターの選曲は最高だ。アート・ブレイキーのアドリブが心地良い。
僕がマスターに「グレンミラーかベニー・グットマン掛けてよ」と言うと「お客さん、すいません。うちはトラディショナルジャズは一枚も置いてないんですよ。モダンジャズならほとんど揃ってますが」と言うお答え。
「そう言えばここでトラディショナル聴いた覚えがないなぁ。これだけレコードが揃っているのに?」
壁一面が棚には数千枚のジャズレコードがある。
マスターはグラスを丁寧に拭きながら「お客さんには申し訳ないですが、私の好きなものしか置いてないんですよ」
「これだけ揃っってるから、てっきりジャズなら何でもあるのかと思ったよ。でも何故なの?」
マスターは手を止めて「アドリブの無いものは好きになれなくて。だからマイルス・ディビスのライブ版なら出てるものなら全てありますよ」
なんとなく納得したような、そうでないような僕は「なんで?」と突っ込む。
マスターは再びグラスを拭き出し、うつむきながら「私の人生がアドリブですから」と、はにかんで言った。
音と空間に満足した僕は「ごちそうさま」と金を置いて店を出た。

その日は折しも休日前。最近は不況のせいか、平日見かけなくなったサラリーマンの集団とすれ違う。
上司と思える男が『もう一件行くぞー!』と掛け声をかけると、皆が上司の後をゾロゾロと行進していく。
その姿は、まるでその上司が率いるトラディショナルジャズの楽団のようだった。
先ほどのマスターの話に痛く納得した!
世の中には、生き方もギャラの取り方は色々あるものだ。

しかし、今夜も冷え込む。財布の中身もゲーセンしかない。
友よお前もか!通りで寒いはずだ。

【※注 ゲーセンとは業界用語で五千円の事です。ゲームセンターの事ではありません。念のため。ちなみに一万円はツェーマンとなります。語源はジャズメンのアドリブ隠語です。音楽やってる人間にしか解らない!いかにもアドリブ上手なジャズメンのおシャーレな隠語だぁ!】

 
 
       

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