A-43:費用(2)
401(k)運営上の費用の諸問題について
(1) 販売上の都合
費用については、管理運営に関するもの、金融商品の販売に関するもの、そして金融商品の運用に関するものが考えられます、しかしながら次の販売のプロセスとの兼ね合いで、それ等の透明性が無くなるという傾向になっています。
401(k)プランは金融商品としての販売サイドから見ると二段階のプロセスからなります、はじめて401(k)の制度を導入する段階、次に実際の金融商品を販売する段階です。ここでは通常の金融商品の販売と違って販売の都度営業活動をしなくても、401(k)プランというシステムを一旦販売すれば、後はある程度自動で金融商品が売れる環境が整います。即ち、第一段階の制度の販売が勝負の決め手になります。
第一段階の意思決定者は企業です、ここでは管理運営上の費用、販売手数料その他、企業負担の費用が問題になります。そこで、プロバイダー側ではできるだけ、この費用を下げて、第一段階の障害を超え易くします。
その際の費用はどこで捻出するかというと、基本的には投資マネジメント費用として加入者(従業員)から収入した財源を利用します。
この様な事が蔓延すると利用者である従業員の実質的運用成果が落ちてきてしまう恐れがあります、またこの事態があまり顕著であると、利用者からプランスポンサーが受託者責任の義務違反(受託者は加入者、給付金の利益のためだけに行動しなければいけない)で訴訟される可能性も起こります。
(2) 費用に影響を及ぼす要因
- 投資マネジメント費用と資産規模
投資マネジメント費用は資産規模に対して所定の料率を掛けて算出しますが、この料率は超過逓減方式のため資産規模が大きいほど割安になります、言い換えると資産規模が小さいほど割高になるわけです。
資産規模が小さいプランとは@従業員規模が小さいAプランをはじめて日が浅いという事が考えられますが、米国においては小規模な会社ほど新規口座からスタートする事が多いようです。
前節通り、バンドリングサービスの場合この費用から管理費用などを捻出するケースも多く、レコードキーピング費用などを無料で提供するところもあるぐらいですから、あまり小さな資産規模ですと401(k)プランの導入は難しくなります。
- 投資オプションの選択
法律で定められる以上の便益を提供するようになると、維持管理コストは増大します、例えば加入者がデーリーに投資対象を変更するサービスをするとか、コンプライアンス・テストの頻度をあげるとなると、サービス・プロバイダーは他より高い費用を要求する事になったり、別途費用を請求せざるを得ません。
さらに、投資オプションの選択の幅が費用に関係して来ます、当然広範囲の投資オプションを提供するサービスほど高い費用がかかります。自社株やそのプロバイダー以外の金融機関の金融商品を購入する場合も付加的な費用が発生してきます。
- 加入者の行動に起因する物
従業員がどのような投資商品を選択するかによって投資マネジメント費用のかかり具合が変わってきます、リスクの低いパッシブ運用型の商品を選択するか?リスクの高いアクティブ運用型の商品を選択するか? によってコストは変わってきます。
アクティブ運用の商品を選択する従業員が多くなればプラン全体の投資マネジメント費用は上がります、投資マネジメント費用は、リスクが高い物ほど投資に関わる調査などに手間がかかりコスト上昇要因となります。
- ポートフォリオ回転率
ポートフォリオ回転率も、もう一つのコスト要因です、ポートフォリオ回転率とはミューチュアルファンドを構成している投資商品を年間どれだけの頻度で買い替えられるかの指標です。回転率が高くなるほどトレーダーが頻繁に売り買いをしていることを意味しますが、この事はファンドに係る取引コストを引き上げ、ついては投資マネジメント費用をあげる要因となります。
この場合もポートフォリオ回転率の低い商品を選択する従業員が多くなるほど費用は逓減します。
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