A-29:給付金受取り
受給権(Vesting)とは企業が拠出した資産についての従業員へ所有権の移転に関する問題でした、基本的にはVesting Scheduleで決められますが、例外的に100%所有権を移転できる為の規則がいくつかありました。今回のテーマである、給付金の受取りとは加入者がプランから自己の年金資産を引出す(Withdrawal)ことです。この場合に問題となるのは、老後資金の準備のために課税繰延べという優遇処置を受けていたのが、あまりにも早期に引出すとペナルティーがかかるという事です。
プラン・ドキュメントにはペナルティーか課せられずに給付金の受取りができる条件、即ち加入者本人の年金資産の引出し条件を述べていきます。その条件は以下の4つです。
- ノーマルリタイアメント年齢に達した時
- 死亡時
- 高度障害時
- 退職時
前述のように、ノーマルリタイアメントは日本でいう定年退職に近い概念でありますので、この年齢に到達した場合、会社を退職しているか否かによらず、給付金が受取れます。
上記以外にも勤続中で年金資産の引出しが可能な条件をあげると。
- 企業主拠出分:
財務省規則としてレイオフ、病気時の引出しを認めています。
IRSはその上、経済困窮時の引出しも認めています。
(ただし、プランドキュメントに記載されている場合に限ります)
- 従業員の税引き前拠出分:
以下は内国歳入法で認められているケースです
@59.5歳に達した時。
A経済困窮時(引出しは可能ですが10%ペナルティー税が課せられます)
Bプランが廃止される時
(以上についても、プランドキュメントに記載されている場合に限ります)
- 従業員の税引き後拠出分
これについての引出しは事由を問わず可能とされています、理由はすでに所得税を支払っていて、十分な優遇処置を受けていない為、規制される理由も無いと言う考え方に立脚しております。
(これもプランドキュメントに記載されている場合に限ります)
退職にあたっての実際の給付金受取時期は次の通です。
- 70.5歳ルール
- 定年退職がないといっても、企業年金はいつまでも年金資産をプランへ預け置くことはできません、401(k)だけでなく確定拠出型プラン、確定給付型プラントとも70.5歳になったらプランから加入者の年金資産を引出さなければいけません(70.5歳に到達した翌年の4月1日までに受給を開始する)。またその時受ける最低給付金額も定められています。
- 最低給付金の計算方法: その時点での資産残高を加入者本人の平均余命で割ったもの。例えば71歳で70,000ドルの残高がある場合は、71歳の平均余命は15.3年*なので最低給付金は4,575ドルになります。
- 50%ペナルティー税: 上記の最低金額より少なめに引出した場合は不足分(引出最低金額と引出金額との差額)に50%課税されます。たとえば2,500ドルしか引出さなかった場合は、(4,575−2,500ドル=)2,075ドルに対して50%の課税が課せられます。
(*平均余命表はIRSがさだめています。)
59.5歳以前に給付金を受けた場合は、早期の受給という事で、10%のペナルティーが課せられます、一方70.5歳以上経過した場合は、今度は、50%のペナルティーが課せられます。これは、本来老後資金を準備する目的の制度を課税逃れに悪用されない為の対策です。
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