A-23:エリサ法405(c)とリスクコントロール
401(k)プランは運用責任が原則従業員にあるが、どの場合でも運用責任が従業員へ帰属するのだろうか、運用口座や資産の運用口座間の変更タイミングなど、企業、つまりプランスポンサーの責任について明確にしている規定がこのエリサ法404(c)項です。
この条項には、「プランスポンサーとして、年金の資産運用について一定環境を整備し、加入者が自分の資産のリスクをコントロールできる状況を提供すれば、その後従業員が投資判断から生じた損失にはプランスポンサーあるいは受託者に責任を問う事ができない」という事が規定されています。
エリサ法は1974年に制定されて、法の前提は確定給付型年金の需給者保護を目的としたものでしたが、この404(c)は確定給付型年金には適用されず確定拠出型年金だけに適用されるものです。ですから適用するプランとしては401(k)だけでなくプロフィットシェアリングプラン、マネーパーチェスプランなども対象になります。
またこの規則の遵守は強制でなく任意なので、この規則に外れるプランも税制適格要件が整っていれば401(k)プランとなる事は可能です。しかしながら訴訟になった場合に、受託者としての免責要件を整える意味からもエリサ法404(c)を遵守する傾向は強くなっております。
エリサ法404(c)の要件は、
- 加入者が自ら資産の運用先選択ができる事
- 最低3っのリスク・リターンの異なる運用口座を用意し、加入者の分散投資が可能になるようにする事
- 少なくとも四半期に一度以上の頻度で、加入者が運用口座を変更できる事
- 加入者の投資判断のために、運用口座の十分な情報を加入しに提供する事
の以上4つであります、これらは1994年度から始まるプランから適用されるようになった比較的新しい規則です。
加入者の資産選択について:
企業拠出分について従業員の運用先選択の自由を認めてないケースもありますが、この場合は運用先選択ができる従業員拠出分だけが404(c)の保護が受けられます。またプランスポンサーが従業員へ投資先のアドバイスした場合も、これも強い立場を利用して投資先を誘引する事とみなされる為、404(c)の保護対象になりません。
3種の運用口座について:
これの基本は異なるリスク・リターンのパターンを持つ物を三種類という事でありまして、同種のリスクを抱えるもの、例えば、株式口座を3種類持ってもそれ等はひとつの口座として取り扱われます。また投資の分散をはかり、大きな損失を蒙る危険をできるだけ最小に押さえようという事が目的なので、他のリスクに晒されない安全資産を組込む事も重要です。一般的に株式関連は複数の口座があってもひとつとみなされますし、自社株については、リスク分散の為に用意した運用口座とはみなされません。
加入者への十分な情報について:
- 自主的開示情報(加入者からの問い合わせがなくても出す情報)
- エリサ法404(c)により、従業員の投資判断による運用損失について、受託者は免責になる旨
- プランで利用可能な運用口座の説明、特にリスクとリターンの関係について
- 資産運用を担当する運用機関
- 投資の指図の方法と制限事項
- 運用口座間の資金移動にあたって加入者が負担する手数料
- 投資対象の最新の目論見書(prospectus)
- 請求すれば入手できる情報の種類
- 加入者の請求による開示情報
- 運用口座にかかる年間の運用経費の説明
- プランに対して提供された目論見書、財務所表
- 運用口座のポートフォリオを構成する資産のリストとその価額
- 各運用口座のユニットバリューについての情報と各運用口座の過去・現在更には特定期間の運用利回り
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