A-22a:受託者とは

     

    従業員側に投資運用リスクのある確定拠出型年金においては、投資家保護、即ち従業員を保護する目的で制度運営にかかわる投資の受託者に厳しい責任を負わせる仕組みを持っています。 より厳密な意味で、受託者とは誰なのかが問題になりますが、この受託者はどういう立場の人がなるのかが記載されている条項がエリサ法3条(21)(A)項になります、それによると。

    1. プランの運営に責任をもつ人または影響を及ぼす人

    2. 手数料をとって、プランの資産運用の助言を与える人

    という定義になり、極めて漠然とした内容になります。
    この表現からは、名目的に誰と誰が受託者であるというよりも、このような状況にある人は受託者であるという、実質的にプランの運用を任されて、その責任を取る立場にある人を受託者としている事になります。

    しかしながら、どのように条文を読んでも、誰が実質的な受託者かは明らかにされておらず、実際には訴訟が起きてはじめて明確になります。ですから少なくとも、受託者になる可能性のある人、特に外部の受託機関やコンサルタントなどは、普段から自分たちの言動が受託者責任とされている項目に逸脱しないように注意する必要があります。

    通常受託者とされる範囲を述べると

    プラン管理者、トラスティーは受託者です

    運用機関を選択する権限を持つ投資委員会、役員会はそのメンバーが受託者になります。
    会社役員、従業員福利厚生担当者が受託者であるかどうかはその役職とは関係なく実質的にプラン運営や資産管理に影響力を及ぼしているかどうかで決められます

    仮に、プランスポンサーが資産運用の経験も知識も無い人をプラン管理者に任命し、実質的にプランスポンサーがプランの運営の主導権を握っていた場合。プランスポンサーのうち実質的に主導権を握っている人も受託者としての責任を負う事になります。また適当な人材がいない場合、専門のコンサルタントに有料のアドバイスを受け、そのアドバイスが受託者責任に抵触していた場合そのコンサルタントも受託者責任を受ける事になります。

    ファイナンシャルプランナー、保険販売員、ミューチュアルファンド販売員などが、コンサルタント・フィーを対価にもらって、401(k)プランにどの運用口座を用意すべきかをアドバイスする時は、時として、受託者としての責任を問われる事があるので注意する必要があります。

    例えば、そのアドバイスが資産の分散投資義務に違反していた場合などで、コンサルタントのアドバイスが資産の投資先決定に主たる判断根拠になっていたと理解されるケースでは十分に受託者として扱われる可能性があります。

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