A-1 確定拠出型年金とは何か

     ここ二年ほど確定拠出型年金という言葉が新聞の経済面に頻繁に表れるようになってきています。また、最近では銀行や証券会社の資本提携、あるいは外資系金融機関との合弁などの記事の中にも、確定拠出型年金または、その一形態である、401(k)プランの事が必ずといってよいほど見受けられます。では、確定拠出型年金とはいったいどのようなものなのか、次に簡単に述べたいと思います。

     まず、制度としての年金には国民年金、厚生年金保険などの国が責任をもつ公的年金と、企業年金、個人年金などの加入の自由が企業または個人の意志に任される私的年金に分類されます。そのうち企業年金については、はじめに給付額を確定し、次にこれを賄うべき掛金を数理計算に基づいて算出し、所要の資金を積立てる方法である確定給付型年金(給付建て制度ともいう)と、拠出すべき掛金を確定し、給付額は掛金と運用益で事後的に決定する確定拠出型年金(拠出建て制度)にわかれます。

     日本においての企業年金は基本的に確定給付型の年金で代表的なものに、厚生年金基金、税制適格年金があります。確定給付型年金は給付金額を予め確定すると述べましたが、確定するだけでなく給付金の支払い責任も企業が負う形になります。実際には、企業の給付責任は法律、通達で定められているため、現在のように年金給付額を支払うのに十分な積み立金を持たない企業においては、企業自らが年金の積み立て不足を負担しなければならないわけです。それらの負担金額がかなりの規模になることで、企業財務を悪化させているが現在の企業年金の問題となっております。

     一方、確定拠出型年金は日本にはない制度です、代表的なものに、401(k)プランや、マネーパーチェスプラン(年金プラン)、利益分配プラン、株式賞与プランなどがあります。確定拠出というと拠出額を決めて定期的に確実に拠出するイメージがありますが、実際に一度決定した拠出額を毎年支払わなければいけないのはマネーパーチェスプランのみで、それ以外は拠出額が変動しても構いません。確定拠出型年金の重要なポイントは、掛金が拠出された段階で企業の責任が全うされると言う点にあります。

     企業年金の一形態である確定拠出型企業年金の文字どうりの解釈は「拠出建ての企業年金」という事になりますが、実態は、年金で受け取らないケースも多く、事実上退職積み立てに他ならないものもあります。401(k)プランなどでは企業の拠出分が全くない場合もあり、その場合は企業年金というよりは従業員社内積立て制度といった方が実態に即しています。このように、日本の確定給付型企業年金の制度をベースに企業が給付責任を免れる仕組みを確定拠出型企業年金と考えると、随分米国の実態とかけ離れてしいます。

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