年金の給付金額および掛金を決定付ける計算法式、即ち財政方式は大別すると私的年金に使われる積立方式と公的年金に使われる賦課方式に分かれました。企業年金は私的年金ですので積立方式が採用されます。
個人年金と企業年金の違い
個人の場合は自分が掛金として拠出した金額に利息がついたものを自分で受取るという簡単明瞭なものでした。 企業の場合も複数の個人がいるように取り扱えば同様に解り易いはずです。しかしそのような方法を実現するためには、加入者一人一人の年齢によって退職までの期間を勘案して保険料を決定し、払い込む掛金も加入員別の口座で管理して、給付時の元利合計を年金として給付する必要があります。実はこの様な考え方の年金が「確定拠出型年金」に他なりません。
日本の企業年金は確定給付型であって、予め給付する年金の金額を決め、そのあとで掛金を設定していきます。 制度発足時に比較的年齢の高い人がいて、十分な掛金期間がないまま退職し、満額の給付を得る事で、制度内で年金原資の不足が発生してきます。
この不足分を過去勤務債務(Past Service Liability)といい、これの解消の方法にいろいろな手法があります。保険料の計算の仕方、過去勤務債務の解消(償却といいます)の仕方から代表的な2つの財政方式を見ていきます。
加入年齢方式(税制適格年金に使われる)
開放基金方式(厚生年金基金に使われる)
加入年齢方式:

右の図で、保険料の設定の仕方と過去勤務債務を説明いたします。
この場合、加入年齢方式で計算した掛金を標準掛金:年額一人当たり50万円
過去勤務債務を償却する為の掛金を特別掛金:年額一人当たり25万円となります。
このように、加入年齢方式での保険料は全加入員を標準的な加入年齢で保険料を算出し(これを通常第一掛金といいます)、制度創設時に、以前から制度があったら積立てていたであろう積立分を過去勤務債務とし、その過去勤務債務相当分を特定の期間で積み増します。過去勤務債務分を積むべく加入者全員で負担する掛金を第二掛金といいます。
過去勤務債務という積立て不足分を積み増す事を過去勤務債務の償却といいます。
では過去勤務債務を積み増しているイメージを見てください。

Aさんの積立て不足、即ち過去勤務債務をAさんとBさんの第二掛金で積立てる事により、Aさんは無事、給付を受ける事が可能になりました。またBさんは標準年齢の加入者ですが自分の給付に必要な金額以上を積立てており、Bさんが将来受ける給付分は確保されています。