社外準備型の退職金制度で、企業年金契約として、生命保険会社、信託銀行と契約をして社外に積立てる制度であります。
企業が契約者となり従業員が加入者となる団体年金のなかで、適格退職年金となる要件は法人税法施行令第159条各号で定める適格要件を満たし、国税庁長官の承認を得ることであります。
施行令159条第1項には14の適格要件があります。その主なものは
| @ 目的: | 退職年金の支給のみが目的である。(しかしながら一時金で受取る事も可能) |
| A 契約形態: | 企業が契約者、従業員(役員を除く)を加入者、原則掛金は企業負担。(形態によっては一部を従業員が拠出する事を許す、ただし企業負担を超えてはいけない) |
| B 年金数理: | 適正な年金数理を行う、予定利率、予定昇給率、予定脱退率などを使う、従来は予定利率は5.5%であったが後述のように運用問題があり今は柔軟になっている。 |
| C 過去勤務債務の償却: | 定率償却では15%から50%、定額償却では3年以上20年以下 |
| D 積立金の事業主への返還禁止: | 制度を継続中には絶対に積立て金は事業主へ返還できない。ただし、運用資産が好調で責任準備金を超えた場合は事業主へ返還する |
| E 給付の減額: | 本来国税庁通達で給付は引き下げられない事になっていたが(ゆえに適格年金を確定給付型年金という)特別の事情があれば引き下げれる事になった。 |
適格年金は1962に創設されたものであり、当初の目的は社内準備型の退職金積立を社外積立にする事であった、事実、退職給与引当金制度では退職金の要支給額が確保できずかつ支払い準備手段を持っていないのに対し、適格年金は掛金が全額損金になり、支払準備手段になるため加入のメリットは大きかった。
そのためほとんどの適格年金は退職金から資金移行をした。また給付金も年金受取と一時金受取が許されるようになっていて、退職一時金に近い性格になっている。
退職給与引当金との関係も、退職一時金制度と全く独立に適格年金を実行しているところは退職給与引当金を利用できるが適格年金を退職金の積立手段に使っている場合は、退職金の要支給額から適格年金の支給額を控除して引当金の積み増し限度額を計算している。
税制適格年金の概要は@一件あたりの平均給付金は9万4300円(月額)、A月額10万円以上の企業も全体の26%を占める。B一時金として受取る場合の平均は256万円、C給付期間は有期型が全体の88%を占め、残りは終身型、有期型では退職後10年が9割。(93年度94年度調査の労働省、金融機関資料より)
97年まで適格年金の制度設立には加入者数の制限があり、信託銀行では最低100人以上で、全国で7865社が採用、生命保険会社では15人以上で、92、355社あります、現在は信託銀行の加入者制限は生保と同じになりました。年金資産残高は19兆1556億円にのぼります。(97年度)