J-05:賦課型年金の問題点
賦課型年金の問題点(公的年金の問題)
公的年金は修正積立方式で、賦課方式と積立方式の中間に位置する財政方式です、この場合現在の環境下でどのような影響が出るかまとめてみたいと思います。
賦課方式に影響がでるもの
- 少子化・高齢化により65歳以上の老齢人口が増加し、15歳から64歳までの生産年齢人口(厚生
少子化・高齢化により65歳以上の老齢人口が増加し、15歳から64歳までの生産年齢人口(厚生省の用語)が相対的に減少し、1999年では、一人の高齢者を65歳未満の国民5人で支えていたものが、2015年では一人の高齢者を3人で支えなければいけなくなる。
- その結果、年金掛金は将来にわたって、大幅アップしなければ現在の給付金を維持できない。厚生年金の保険料率は現在は従業員の月給の17.35%ですが、2025年には34.3%にも昇る事になります。
- さらにこの様な、保険料の上昇は過去の時点からも続いており、保険料の支払いと給付金の受取総額に世代毎に大きな較差が広がっている。
- 厚生省の発表に基づけば、1995年時点で30歳未満の国民にとっては、制度への支払超過となる為、この制度へ拠出するメリットが見い出せない事と、年金保険料も含めた国民負担率が上昇して、制度を維持できないところまで進む恐れがある。
(厚生省試算:97/7/15)
94年度現在70歳 保険料支払い800万円、年金受取6100万円(支払いの7.6倍)
同年50歳 保険料支払い3000万円、年金受取6200万円(支払いの2.07倍)
同年30歳 保険料支払い5200万円、年金受取5800万円(支払いの1.1倍)
30歳未満は支払い超過となる。
(出生数及び合計特殊出生率の年次推移:厚生省)


積立方式に影響が出るもの
1. 運用差損
現在の運用についての前提は5.5%で運用するというもの、低金利、株式市場の低迷で、実際の運用は1996年度4.9%と、以降実績が前提となる利率(予定利率)を下回っている。
2. 運用失敗
97年度の公的年金の積立額は133兆円あるが、うち23.7兆円を年金福祉事業団が公的年金から借入れ、自主運用している。 92年度まで事業団の運用は黒字だったが、93年度の赤字を皮切りに毎年赤字になり97年度累積赤字は1兆4434億円となっている。 96年度の運用実績では、公的年金からの借入れ利息が5.28%,事業団の自主運用の利回り3.4%で逆鞘が1.85%発生している。結果として公的年金では5.28%で運用され、赤字を事業団へ押し付けた形になっている。年金福祉事業団は2000年に解散する予定。
公的年金の対策案
- 少子・高齢化のもとでは賦課方式より積立方式が適した財政方式であり、国の内外から公的年金の民営化がさけばれている、具体的には、国民年金や厚生年金の基礎年金部分を残し、厚生年金を私的年金、即ち積立型の企業年金や個人年金へ移行するというもの。金審議会等でも、厚生年金の民営化論が取り上げられている。
- ただし、賦課方式から積立方式への移行に伴い、1999年度現在で積立分が350兆円必要で、賦課の掛金拠出と積立の拠出の二重負担が発生するとしている(厚生省)。
積立型への移行
- 日本の公的年金は外国のそれに比べて高い積立金を持っている、その理由は日本では公的年金の財政方式は当初は完全な積立方式であったものが、給付改定の都度、賦課方式の考えをとりいれられたからである、その名残で修正積立方式と呼ばれている。現在賦課方式から積立方式への移行が検討されているが、完全な賦課方式からの移行ではなく、一旦は賦課方式へぶれた積立方式をもとの完全積立方式へ戻す事に他ならない
- 民営化へ移行するという案も現在二つの方法が提案されている、(1)は上記のように、積立を増やす事による積立方式の採用、(2)は積立金を取り崩しながら現役世代の掛金負担を減らし公的年金を完全な賦課型にして、別途、自助努力で積立型(確定拠出型)の個人年金や企業年金に加入するという案。
- 上記の二つの案はどちらも給付金を少なくして、個人で加入する積立型年金を増やすという前提であるが、現在の積立分を積み増しするのか、取り崩すのかでは180度方向が違うので、各界の専門家により十分に研究される事が望まれる。
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