J-01:各種年金の仕組み

    年金の仕組みはその性格から大別すると積立方式と賦課方式に分かれます。簡単に言うと自分で受取る年金の原資を自分が負担する掛金で積立てる方式を積立方式、自分が受取る年金原資を自分以外の人たちの掛金で賄われる方式を賦課方式といいます。

    【積立方式】
    積立方式は自分が掛金を負担し、その蓄積分を自分で使う事情から、必ず年金積立金が発生します。また当然に加入者が年金に関わる時間は「積立期間」と「受取期間」にわかれる事になります。
    積立方式は最も一般になじみのあるものです、生命保険会社の個人年金等がこの考え方で運営されています。

    積立期間
    加入者は毎月、一定の掛金(保険料)を保険会社へ支払います、保険会社は、そのお金を一定の期間積立てます、通常はそのお金には、運用益が発生しますので、積立総額は保険料の支払い総額より多くなります。

    受取期間
    受取る時は、毎年一定の金額を受取ります、毎年受取る事で年金(Annuity)と呼ばれます。年金積立から毎年の年金額を差引くので、積立残がどんどん小さくなって、しまいには残額がゼロになります。

    [確定年金払い]
    10年で残がゼロになる年金を、10年確定年金、20年で積立残高がゼロになる年金は20年確定年金といいます。特定の期間でゼロになるように年金額を決めるのためには年金数理を用います。

    確定年金の計算に利用される計算条件(これを基礎率といいます)で最も重要な要素は運用利回りです。 以下に運用利回りと保険料の関係を見ていきましょう。下の表は保険会社の営業経費を除外した簡単な例です

    20歳から60歳までに2000万円積立てる、10年間の確定年金です。
    運用利回り40年間積立で 2000万円積立てる為の年間保険料10年確定の年金額
    0%年500,000円(月41,667円)年金200万円
    3.0%年265,248円(月22,104円)年金234万円
    5.5%年146,407円(月12,201円)年金265万円

    積立方式の年金計算で最もわかり易いのが運用利回り0%の例です、この場合、保険料として支払った掛金総額と年金として受取る給付総額がどちらも2000万円です。このように年金制度を中心にして流入するお金と流出するお金が等しくなるようにする事を「収支相当の原則」といい、積立方式での確定年金受取では個人単位で「収支相当の原則」が適用されているという事が言えます。

    運用利回り拠出額給付額運用益
    0%20,000,00020,000,0000
    3.0%10,609,92023,400,00012,790,080
    5.5%5,856,28026,500,00020,643,720

    さて、運用利回りが3.0%のところは受給額より拠出額が少なくなっていますが年金制度から見ると流入するお金は拠出金以外に運用益がありますので、収支相当の原則は「拠出金と運用益」と「給付額」が一致する事となります


    次は毎年50万円を積立て40年経過した場合の運用益の大きさを見てみましょう。


    運用利回り60歳時積立額
    0.0%20、000、000円
    3.0%37、770、630円
    5.5%68、302、807円

    運用利回りによって、掛金を一定にすると積立額が大幅に違う事がわかって戴けると思います。この事から次の事が分かります。
    (1) 積立方式は運用利回りにより、掛金に大きな開きがでる。
    (2) 運用利回りの影響は期間が長いほど影響は大きくなる
    (3) インフレが起きた場合、積立金の運用方法によっては、目減りする事もありうる。
    (4) 企業が従業員に2000万円の退職金を40年間で準備するとして、運用益がゼロとして月約42000円の積立てが必要で、運用益3%の場合は月額約22、000円積立てると良いということがわかる。

    [終身年金払い]
    終身年金払いとは、生きている限り年金給付金を支払うという年金の払い方です(ちなみに、確定年金払いの場合は受給者が死亡しても遺族へ支払いが継続します)。終身払いの場合、個人個人については、いつ亡くなるか解りませんので受取期間を確定できません。これでは給付総額が算出できませんが、加入者がある程度大勢になりますと、長く生きる人、早く亡くなる人の間に平均ができ、高い確率で死亡年齢が収束してきます、この事を「大数の法則」といいます。
    従って、大勢の加入者をひとまとめにする事で、給付総額が確定しますのでその額を賄うべく「収支相当の原則」により掛金を算出します。
    (終身年金とは加入年齢が同じ人たちをひとつのグループとして見た場合、このグループ全体で掛金拠出と給付額が収支相当になっているといえます)

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