観戦日記、99.9.5 東京−川崎F

J1への執念−マイベストゲーム−

西が丘サッカー場、16:00K.O.

0−0
 東京 0−0 川崎F
0−0
 0−0 


川崎Fイレブンの円陣。

 この試合も天王山であり、注目されていた。J2ではめずらしい、前売り券完売。両チームともJ1昇格するためには落とすことができない。JFL時代からのライバルの対戦。東京はここで勝っておけばJ1昇格へさらに近づく。一方、川崎Fはここで勝ち点を取らないとJ1への道が苦しくなる。両チームとも今後を左右されるべく試合。試合前からもその両チームの意気込みはかなり強く感じられた。
 この試合は、ふと、思い立って当日になって行くことをきめた。これが大正解。私自身、西が丘での観戦ははじめてであり、また、フロンターレの白いユニホームを生で見るのも初めてだったので、この試合はとても新鮮味があった。さらに、試合の方は両チームにとって超重要な試合ということもあって白熱した試合展開だった。川崎Fファンの私もはらはらドキドキの連続で、今までこんなに見入ってしまった試合はない。いわば、今までのサッカー観戦人生でベストゲームになるだろう。
 試合展開は川崎Fファンの私の目から言わせてもらえば、完全に東京が有利であった。川崎Fは前節の試合でレギュラーGKが退場を食らい、この試合のGKは今までのトップ経験が前節の途中交代で出てきただけという選手が出場した。試合前はDFとのコミュニケーションだとか、試合経験だとかの面がとても不安であった。また、試合後半、川崎FのFWがイエロー二枚目で退場。おまけに、延長後半、川崎Fのある選手が足を痛めたが、3人の交代枠を使ったあとだったためそのままびっこを引きながら出場するという、圧倒的不利な状況であったからだ。しかし、試合が始まってみれば、J昇格に2度痛い経験をしているこのチームの集中力はすばらしいものであった。初先発したGKは本当に初出場?と思えるくらいに安定したプレーを見せ、ファインセーブも連発する。DFも120分間全く集中力を切らさず、固いガードでゴールを割らせなかった。そして、その波は攻撃にも影響し、人数的に不利になっていたにもかかわらず延長後半には、川崎Fが幾度も東京ゴールを脅かす展開。東京は、目に見える条件的な有利さに勝ちを確信していて、油断していたのだろう。そのため、試合終了した瞬間、東京イレブンは呆然としていた。逆に、川崎F選手はJ1昇格を決めたのかと思えるほど歓喜をあげ、お互いをたたえあっていた。ある川崎Fの選手が「この引き分けは勝ち点3以上の価値があった」と、言っていたがまさにその通りであったといえる。川崎FのJ1への執念をとても感じられた試合であった。