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生薬名・・・・知母 ちも

 

生薬名 知母(ちも)
基 原 ユリ科 Liliaceae 知母 Anemarrhena asphodeloides Bge. (ハナスゲ)の根茎を乾燥したもの
性 味 味は苦、性は寒。(帰経:肺・胃・腎経)
主成分 多種の steroidsaponin で、加水分解すると sarsasapogenin などが生じる。なお生薬1gにつき約200μgの nicotic acid を含む。
薬理作用 清熱瀉火・滋腎潤燥
解熱作用・抗菌作用・鎮静作用・去痰作用
臨床応用
  1. 温熱病の気分証に、石膏の補助として解熱・鎮静作用をあらわす。
  2. 虚熱(慢性・消耗性疾患による発熱)、とくに午後になると生じる微熱に用いる。身体の中から熱が蒸発してくるように感じる(古人は“骨蒸潮熱”といっている)・盗汗・脈が沈細で数のときに、産後の原因不明の発熱(労熱というが、虚熱の一種でもある)にも用いる。
  3. 遺精・夢精・性神経の興奮症状・喉痛・咽乾・腰や膝がだるく無力などの陰虚火旺(腎火亢盛)の症状には、知母の鎮静を利用する。
  4. 泌尿器系の感染症、とくに慢性腎盂炎で陰虚火旺による熱象があるときに用いる。
  5. 陰虚火旺による口内炎・口腔潰瘍・咽喉炎に用いる。
  6. 口渇・多飲・煩熱などの肺胃の躁熱症状があるとき(糖尿病など)に使用する。
  7. 乾咳・嗄声・咽乾・盗汗・痰が少ないなどの肺陰虚の症状に用いる。

このほか、紫斑やアレルギー性皮疹に、知母に酢酸を加えてすりつぶした汁を塗布すると効果がある。

用量 9〜12g、大量で15〜25g。
使用上の注意
  1. 知母には、“滑腸(腸管を滋潤することによって便を軟らかくする。)”の効能があるので、脾虚による泥状便には使用しない。
  2. 過去には妊娠に使用しない方がよいといわれていたが、実際には弁証が確実であれば(たとえば妊娠中の高熱・煩躁・舌質が紅・舌苔が黄などの熱象)、知母に他の清熱薬を配合して清熱除煩することにより流産を防止できる。
生薬画像