| 生薬名 |
大棗(たいそう) |
| 基 原 |
神農本草経の上品に収載。クロウメモドキ科
Rhamnaceae 棗 Zizyphus jujuba Mill.
(サネブトナツメ)および同族植物の成熟果実を乾燥したもの。 |
| 性 味 |
味は甘、性は温。(帰経:脾経) |
| 主成分 |
棗酸・ tannic acid
・粘液質・タンパク質・脂肪・カルシウムなどで、ビタミンCの含有量もかなり豊富である |
| 薬理作用 |
補脾胃・養営安神・緩和薬性
胃腸機能の調節作用・鎮痙作用・薬性をやわらげて、味を矯正する
臨床的な観察によると、鎮静・利尿の作用もある。 |
| 臨床応用 |
- 脾胃気虚に補助薬として使用する。補気の方剤に入れるときには、必ず生姜と一緒に用いる。生姜の刺激性を大棗で緩和し、大棗によって生じる腹部膨満を生姜で減少させる。大棗と生姜を同時に用いると、食欲が増し・消化が良くなるので、他の補気薬の作用がよくなる。
- 婦人の臓躁(更年期障害やヒステリーなどに相当する)に用いる。
- “甘をもって急を緩める”というように、鎮痙作用を利用する。
- 薬性を緩和する。作用が激烈な薬物に配合すると、性質をやわらげて消化機能(脾胃)に対する傷害が少なくなる。辛味や苦味の薬物が多い処方にも使用して味を矯正し、薬性をやわらげる。
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| 用量 |
5〜20g |
| 使用上の注意 |
- 虫歯の疼痛・腹部の膨満感・便秘などの症状があるときには使用すべきでない。
- 処方中に大棗として使用するものに、黒棗・南棗・紅棗・蜜棗などがある。
黒棗・南棗は良質で、養血補中の効能がある。
紅棗はやや燥性が強く・補養力が弱いので、一般に補益剤としては使用しないが、アレルギー性紫斑病に効果がある。
蜜棗は味が非常に甘く濃いので、潤燥解毒に効果がある。
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| 生薬画像 |
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