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生薬名・・・・紫根 しこん

 

生薬名 紫根(しこん)
基 原 ムラサキ科 Boraginaceae 紫草 Lithospermum erythrorhizon Sieb. et Zucc. (ムラサキ)の根を乾燥したもの。
性 味 味は甘・鹹、性は寒。(帰経:心・肝経)
主成分 acetylshikonin C18H18O6。加水分解すると shikonin を生じる。これはビタミンKに似た構造をもつ naphthoquinone 誘導体である。
薬理作用 涼血解毒・透疹
最近の実験によると、これらの効能は解熱作用と関連がある。
強心作用・解熱作用・抗真菌作用・抗ウイルス作用・下垂体および絨毛膜ゴナドトロピンへの拮抗作用
その他:現在、紫根は麻疹を予防し、湿疹様皮膚炎・女性外陰部の炎症などに効果があることが観察されているが、機序はまだ明らかではなく研究に値する。
臨床応用 水痘・麻疹に対する主薬である。
  1. 水痘・麻疹の初期で、色が赤くて発疹しそうで発疹せず、便秘をともなっているときに使用すると、完全に発疹して(透発)病勢が軽減する。下痢・泥状便のものや、鮮紅色に発疹したものには使用しない。
  2. 湿疹・女性外陰部の炎症には、紫草油(紫根を植物性の油にとかしたもの)を外用する。
用量 3〜9g
使用上の注意 “紫草”の名称がついている3種類の薬物を鑑別する必要がある。
  1. 紅条紫草:本項で述べたムラサキ科ムラサキの根(紫根)。
  2. 北紫草:白頭翁の一種バラ科委陵菜(カワラサイコ)。
  3. 紫草茸:ラックカイガラムシが樹上で分泌した脂状ゴム様物質。
生薬画像