Back

Index

 

生薬名・・・・山茱萸 さんしゅゆ

 

生薬名 山茱萸(さんしゅゆ)
基 原 ミズキ科 Cornaceae 山茱萸 Cornus officinalis Sieb. et Zucc. (サンシュユ)の果実を乾燥したもの(核をとって果肉を用いる)。
性 味 味は酸・渋、性は微温。(帰経:肝・腎経)
主成分 cornin ・ gallic acid ・ tartaric acid ・ malic acid ・ビタミンA様物質
薬理作用 補益肝腎・渋精・斂汗
滋養作用、収斂作用、抗菌・抗真菌作用
山茱萸には利尿作用があるという実験報告があるが、これは“山茱萸は固渋小便(抗利尿)する”という中医の臨床経験とはまったく相反するものである。実験と臨床的観察の両面でさらに検討を要する。
臨床応用 主として肝腎不足で滑脱の症状のあるものに用いる。
  1. 腎虚(腎陰虚と腎陽虚)に効果があり、左帰飲(補腎陰)にも右帰飲(補腎陽)にも山茱萸が用いられている。
  2. 気血両虚による不正性器出血・月経過多に用いる。ただし、単味では力が弱いので多量に用い、炭類止血薬を配合してはじめて効果がある。
  3. 止汗に用いる。とくに亡陽(急性・慢性の虚脱状態)で汗が出て止まらないときに効果がある。
    大量の汗・四肢が氷のように冷たいなどの虚脱の症状には、山茱萸を必ず用いる。単味で30〜60gを濃煎するか、五味子・党参を配合する。
  4. 肝腎陰虚で上腹部痛をともなうものに用いる。山茱萸は固渋のほかに理気・鎮痛の効能があるからである。
    (附)山茱萸は補益力は十分であるが、薬性はおだやかである。滋養と収斂の効能があり、しかも抗菌作用をもっているので、正気を保護して邪をとどめない。また血流を促進するので解表にも有利である。
用量 常用は3〜9g。虚脱には60〜120g。
使用上の注意 尿が出にくいものには投与してはならない
生薬画像