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生薬名・・・・山梔子 さんしし

 

生薬名 山梔子(さんしし)
基 原 神農本草経の中品に収載。アカネ科 Rubiaceae 梔子 Gardenia jasminoides Ellis(コリンクチナシ)の成熟果実を乾燥したもの。
性 味 味は苦、性は寒。(帰経:心・肝・肺・胃経)
主成分 crocin ・ crocetin ・ safrol yellow ・ d-mannitol ・ β-sitosterol など
薬理作用 清熱瀉火・涼血解毒
解熱作用、黄疸消退作用、止血作用、抗菌・抗真菌作用、鎮静作用、降圧作用
臨床応用
  1. 湿熱による黄疸(急性伝染性肝炎・血清肝炎など)に用いる。歴代の中医は山梔子を黄疸に対する主薬としていたが、最近の実験でも主として黄疸消退の作用があることがあきらかになった。
  2. 熱傷の感染で、発熱・煩渇・煩躁などの熱象がみられるときに用いる。
  3. 種々の炎症に用いる。目の充血・腫脹・疼痛・流涙・口が苦い・口乾・胸があつ苦しい・夜間睡眠不足などの肝熱の症状があるときに適し、消炎・鎮痛する(清肝熱)。
  4. 打撲・捻挫などに、生山梔子の粉末を小麦粉と卵白でねって湿布する。
    この他痔の炎症性疼痛に、山梔炭の粉末をワセリンとまぜ塗布すると鎮痛効果がある。
  5. 喀血・鼻出血で湿熱の症候をともなうときに、山梔炭(黒山梔)に他の涼血止血薬を配合し、たとえば咳血方を用いる。
用量 3〜9g
使用上の注意
  1. 梔子鼓湯は、熱性疾患回復期の不眠・胸があつ苦しいなどの症状に用いるものである。古人は経験的に、生山梔子を服用すると嘔吐しやすい(炒山梔子ではおこらない)としている。実際には、痰がつまって胸苦しいときに梔子鼓湯を服用すると、嘔吐しやすく、嘔吐のあとはかえって気分がよくなる。痰や胸苦しさがないときには嘔吐は生じない。
  2. 虚寒による泥状便には使用してはならない。
生薬画像