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生薬名・・・・地黄 じおう

 

生薬名 地黄(じおう)
基 原 神農本草経の上品に収載。ゴマノハグサ科 Scrophulariaceae 地黄 Rehmannia glutinosa (Gaertn.) Libosch. (カイケイジオウ)の塊状根を乾燥したもの(蒸したり煮たりしていないもの)。新鮮なものを鮮地黄という。
性 味 味は甘・苦、性は寒。(帰経:心・肝・腎経)
主成分 rehmannin ・ xylitol ・ glucose ・ mannitol ・鉄分・ビタミンA類
薬理作用 清熱涼血・生津
止血作用、強心・利尿作用、血糖降下作用
臨床応用
  1. 熱性疾患に用いる。舌質深紅・口乾・便秘・睡眠不安などの脱水症状があるときには、玄参・麦門冬などを配合して、たとえば増液湯を用いる。増液とは、実際に体液を増加するのではなく、清熱することによって水分の消耗を減らすにすぎない。このことを、熱源を除去することによって水分の蒸発が自然に減少するという意味で、釜底抽薪(かまどの薪を引き抜く)とたとえている。
  2. 血熱による出血に用いる。陽虚・気虚による出血、あるいは出血によって陽虚・気虚を生じたときには、生地黄を使用してはならない。
  3. 陰虚内熱に用いる。滋陰清熱の方剤には生地黄を欠かしてはならない。陰虚火旺による大便硬・習慣性便秘には、生地黄60gを煎じて服用するか、豚肉(赤身)60〜120gと煮たスープを服用する。
  4. 蕁麻疹・湿疹などの血熱による皮膚疾患に用いてもよい。
用量 10〜30g
使用上の注意 生地黄はしつこくて消化されにくいので、多量に服用すると消化機能が障害される。気血両虚の妊婦・脾胃気虚で泥状便のものには用いてはならない。
生薬画像