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生薬名・・・・沈香 じんこう

 

生薬名 沈香(じんこう)
基 原 ジンチョウゲ科 Thymelaeaceae 白木香(沈香) Aquilaria sinensis (Lour.) Gilg. で、黒褐色の樹脂を含む木材を乾燥加工したもの。この樹脂は、虫害や人工的なきり傷をつけた樹皮から分泌し、長時間かかって沈積してできる。独特の香りがあるので、沈香と名づけられた。
性 味 味は辛・苦、性は微温。(帰経:脾・胃・腎経)
主成分 benzylacetone ・p -methoxybenzylacetone などを含む精油
薬理作用 降気和中・温腎補陽・散寒
鎮痛・鎮静作用があるらしい。
煎汁は人型結核菌を完全に抑制し、チフス菌・赤痢菌群にも強い抑制作用がある。
臨床応用 主として下腹部痛に使用する。
  1. 陽虚で血液循環が悪いため生じた下腹部痛・下腹部でガスが動いたり冷感があるとき(月経不順などで見られる)に用いる。
  2. 気管支喘息などの肺気壅滞による喘息に、補助薬として使用する。古人は沈香には降逆平喘の効能があって呼吸困難に有効であるとしている。
  3. 胃寒による吃逆・嘔吐(急性胃炎など)に用いる。この場合は、沈香を健胃薬として使用する。
用量 1〜3g。水を加えてすりつぶした粉末を日干ししてから丸・散にすることが多い。煎剤に配合するときには、すりつぶした汁を煎液で沖服するか・煎剤に後から入れる。
使用上の注意
  1. 沈香と肉桂は、どちらも虚寒による循環不良(気滞血オ)で生じた下腹部痛に効果がある。沈香は理気の効能によって胃腸の機能を回復し、肉桂は温陽の効能によって血液循環を促進する(散寒)。
  2. 気虚下陥・陰虚火旺には使用してはならない。