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生薬名・・・・鹿茸 ろくじょう

 

生薬名 鹿茸(ろくじょう)
基 原 シカ科 Cervidah 梅花鹿 Cervus nippon Temminck (ニホンジカ)、馬鹿 Cervus elaphus L. (マンシュウジカ)の雄の頭上の未骨化の細かい毛の生えた幼角を加工したもの
性 味 味は甘・鹹、性は温。(帰経:肝・腎経)
主成分 ニカワ・タンパク質・カルシウム・リン・マグネシウムを含む灰分、ごく少量の oestrone
薬理作用 温腎補陽・強筋骨・健胃・生精補血
現在初歩的に明らかになった作用は、発育・成長促進作用、造血機能促進作用、強心作用、子宮収縮作用
臨床応用 元陽を強力に補うときの主薬である。現代医学的にみれば、“元陽”とは生殖・生長などの基本的な生理機能を包括したものである。
  1. 生殖機能を興奮させる。男性のインポテンツ・女性の虚寒による白色帯下や不妊症などに使用する。性ホルモン様作用があると考えられる。
  2. 生長発育の促進に用いる。小児の発育不良・筋肉や骨格の発達不良・運動能力の発達不良・歩きはじめるのが遅い・歯のはえはじめが遅い・泉門の閉鎖が遅いなどの症状に使用する。
  3. 高度の貧血(気血両虚)に用いる。活血に補益を兼ね、造血機能の刺激作用があるのを利用する。現在、再生不良性貧血に対し試験的に使用し、一定の効果を得ている。
  4. 心不全に用いる。特にリウマチ性心疾患で、動悸・腰がだるい・尿量減少・排尿困難などの腎陽虚の症状があるときに用いる。
  5. 神経衰弱や病後の衰弱に用いる。頭がふらつく・耳鳴り・腰がだるい・元気がない・四肢に力がない・消化不良・尿量過多などの症状があるものに対し、強壮作用がある。
  6. 腎陽虚型の不正性器出血に使用する。

このほか、皮膚の難治性潰瘍などにも使用する。

用量 0.5〜3g。1.5gぐらいを使用することが多い。多量に服用すると鼻出血や頭重を生じやすいので、5〜6g以上使用してはならない。
使用上の注意
  1. 熱象があるとき・感染症状が残っているとき(外感未清)・元気が旺盛なものには使用してはならない。一般に高血圧には使用しない方がよいが、眩暈・四肢のしびれをともなう腎性高血圧には、杜仲・牛膝・鶏血藤・山茱萸などを配合して使用する。
  2. 鹿茸は高価で入手しにくいので、一般に鹿角霜か鹿角膠で代用する。代用では効果がないときには鹿茸を使用する。