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生薬名・・・・桂枝 けいし

 

生薬名 桂枝(けいし)
基 原 クスノキ科 Lauraceae 桂樹 Cinnamomum cassia Blume (ケイ)の若枝を乾燥したもの。枝先が桂枝尖で、気・味・色ともに濃厚で、温経通路の効能が桂枝より強い。
性 味 味は辛・甘、性は温。(帰経:心・肺・膀胱経)
主成分 主に cinnamic aldehide C9H8O ・ cinnamyl ethyl acetate などを含む cineol
薬理作用 発汗解表・温通経脈・通陽化気
解熱作用・鎮痛作用・健胃作用・抗菌作用・抗ウイルス作用・抗真菌作用
臨床応用
  1. 外感風寒に用いる。
    桂枝は温熱性の薬物で血行を促進するため、風温などの発熱性伝染病で、熱が高く・脈が洪大で・汗が出ないときには使用してはならない。もしあやまって用いると、0.5〜1g使用しただけで鼻出血をおこす。口や舌の乾燥・吐血・喀血などの症状がある陰虚内熱のときは、とくに桂枝を用いてはならない。
  2. 風湿による痺痛、とくに肩や上肢の関節痛(関節リウマチ・神経痛など)に対し、桂枝の温経止痛の効能を利用する。
  3. 水湿の停滞による水腫・痰飲(慢性気管支炎などで気道にたまった大量の分泌物など)に用いる。古人は経験的に、“桂枝には通陽利水(化気行水)の効能があるので、水腫・痰飲に効果がある”としている。現代医学的に見ると、“陽”と“気”はどちらも機能をあらわすもので、通陽利水・化気行水とは、血液循環機能を促進し、発汗と利尿の作用を強めることによって局所の体液停滞を軽減することである。
    このほか、桂枝は婦人科や他の疾病にも広く応用する。
用量 常用量は3〜9g。解表に用いるときは、少量で2〜5g、一般に6g。風湿による関節痛には比較的大量で、甚だしいときには30〜45gを用いるが、具体的な状況と臨床経験によって決める必要がある。
生薬画像