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生薬名・・・・甘草 かんぞう

 

生薬名 甘草(かんぞう)
基 原 神農本草経の上品に収載。マメ科 Leguminosae 甘草 Glycyrrhiza uralensis Fisch. (ウラルカンゾウ(東北甘草))およびナンキンカンゾウ(西北甘草)の根及びストロンを乾燥したもの。
性 味 味は甘、性は平。(帰経:十二経)
主成分 glycyrrhizic acid のカルシウム塩とカリウム塩からなる glycyrrhizin (甘味成分)を含む。 glycyrrihizic acid を加水分解すると glucuronic acid と glycyrrhetic acid を生成する。 liquiritigenin C21H22O9 ・ glucose ・ mannitol ・ malic acid ・ l -asparagine などを含む。
薬理作用 補脾益気・清熱解毒・潤肺止咳
glycyrrhizinの分解産物は生体の肝臓で有害産物と結合して解毒する。又gl y-cyrrhizinは抗アレルギー作用があり皮膚科領域で応用されている。近年甘草エキス 、gl-ycyrrhizin及びおその分解物には抗炎症作用、副腎皮質ホルモン様作用の有るこ とが明らかにされた。又glycyrrhizinの誘導体には抗潰瘍作用が見いだされた。甘草の 鎮痙作用はそのフラボノイド成分にある。その他甘草エキスには鎮咳作用、免疫抑制作 用等も報告される。
臨床応用 緩和、緩解、鎮咳、鎮痛、去痰薬として筋肉の急激な緊張による疼痛等の急迫症状を緩
解。胃痙攣、胃痛、咽喉痛、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、等にも対応する。
また、グリチルリチンの製造原料として需要が多く、菓子類や醤油の矯味原料ともされる。
用量 3〜6g
使用上の注意 腹部膨満感・嘔吐・浮腫などの症状がある場合。長期に甘草単味を服用すると、水腫・高血圧などの副作用が生じる。
生薬画像