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生薬名・・・・呉茱萸 ごしゅゆ

 

生薬名 呉茱萸(ごしゅゆ)
基 原 ミカン科 Rutaceae 呉茱萸 Evodia rutaecarpa Benth. (ゴシュユ)の成熟果実を乾燥したもの
性 味 味は辛・苦、性は大熱。小毒。(帰経:肝・胃・脾・腎経)
主成分 evodin C26H30O8 ・ evodene C10H16 などの精油、 evodiamine C19H17ON3 ・ rutaecarpine C18H13ON3 などの alkaloid
薬理作用 温中散寒・下気止痛
臨床的観察によると健胃・鎮痛・鎮嘔・制酸などの作用があるが、薬理学的な実験研究は非常に不十分である。
利尿作用、抗菌・殺虫作用
臨床応用 虚寒による上腹部痛・腹痛・脇痛・疝痛に対する常用薬である。
  1. 虚寒による上腹部痛に使用する。呑散・乾嘔・よだれが多い・手足が冷える・舌苔が白い・脈は遅いなどの胃陽虚の症状があるとき(慢性胃炎・消化性潰瘍など)に、乾姜を配合して去寒し、党参で胃腸を補益する。寒象がひどくて乾嘔が止まらないときには、等量の呉茱萸(炮炙)と炮姜の粉末を沖服するか煎じて温服する。
  2. 脇痛や肝胃不和に用いる。右脇部の痛み・嘔吐・呑酸・口が苦い・舌質は紅・脈は弦数・ひどければ食べるとすぐに痛むなどに、熱象をともなう肝胃不和の症状(胃・十二指腸潰瘍に潰瘍周囲炎を合併したときによく見られる)には、呉茱萸に黄連などの苦寒薬を配合し、症状に応じて他薬を加える。
    このほか、呉茱萸に橘核を配合して疝痛に使用し、補骨脂の補助薬として脾腎陽虚による“五更瀉”に使用し、四物湯の補助薬として虚寒による月経痛(月経不順に下腹部冷痛をともなう)に用いる。また、当帰・肉桂を配合して虚寒による頭痛に用いる。外用では、呉茱萸と炒塩で腹部を温めると腹部膨満(気脹)に効果あり、呉茱萸末を酢でねって足底につけておくと小児の口内炎によるよだれに効果がある。
用量 3〜9g。多量に使用すると、激しい咽喉の乾燥感が生じる。
使用上の注意 非常に熱性であるから、内熱(裏熱のこと。実熱と陰虚内熱がある。)が盛んなものには使用すべきでない。妊婦には用いない方がよい。