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生薬名・・・・扁蓄 へんちく

 

生薬名 扁蓄(へんちく)
基 原 タデ科 Polygonaceae 扁蓄 Polygonum aviculare L. (ミチヤナギ)の全草を乾燥したもの
性 味 味は苦、性は平。(帰経:膀胱経)
主成分 葉は avicularin C20H18O11 ・ emodin ・カリウム塩を含む
薬理作用 清熱・利水・通淋
利尿作用・抗菌作用・駆虫作用
臨床応用
  1. 熱淋・石淋(尿道炎・尿道結石・輸尿管結石など)に用いる。とくに排尿困難・排尿痛に便秘をともなうときに適している。
  2. 乳糜尿に使用する。
  3. 蟯虫に、扁蓄30gを水煎して朝晩に服用する。また鈎虫に、毎日扁蓄30gずつを煎服し、3日を1クールとする。胆道への回虫迷入には、扁蓄30g・米酢90gに水を1カップ加え、1カップまで煎じて2日に分けて服用する。
  4. 皮膚湿疹・トリコモナス性膣炎による掻痒には、鮮扁蓄250gに水1500mlを加えた煎湯で洗う。
用量 9〜18g、単独で30gまで使用することがある。
使用上の注意 クバク・卑解・扁蓄は、いずれも清熱去湿・利尿作用があって淋証(頻尿・尿意促進・排尿障害・排尿痛などの症状の総称。尿路感染症・結石・前立腺炎などでみられる。)に効果があるが、各々適応の重点がある。熱象が湿象よりも顕著で、排尿時に尿道の灼熱感と疼痛があるときには、クバクを用いる。湿象が熱象よりも顕著で、尿がおも湯のようなときには、卑解を用いる。湿象・熱象が同じぐらいの一般的な排尿困難には、扁蓄を用いる。各症状が同時にみられる場合は、3者を適当に配合する。
生薬画像