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生薬名・・・・白朮 びゃくじゅつ

 

生薬名 白朮(びゃくじゅつ)
基 原 キク科 Compositae 白朮 Atractylodes macrocephala Koidz. (A. ovata A.P.DC.)(オオバナオケラ)の根茎を乾燥したもの。冬期に採集したものを冬朮といい、性質はやや甘く柔潤である。ただし現在では一般に冬朮・夏朮を区別しない。
性 味 味は甘・微苦、性は温。微香がある。(帰経:脾・胃経)
主成分 atractylol C15H24O を主とする精油 ・ atractylone C15H20O ・ビタミンAなど。
薬理作用 補裨益気・燥湿利水
健胃作用・利尿作用・鎮静作用
臨床応用 主として補脾に用いる。
  1. 下痢・泥状便・食欲がない・上腹部が脹って苦しい・舌質が淡白・舌苔が白い・脈は沈などの脾虚の症状があるときに用いる。多くは胃腸の機能が悪く、腸管からの吸収能力が減退したために生じる。慢性消化不良症・慢性非特異性結腸炎によく見られる。
  2. 肢体の浮腫で、顔色が青い・食欲不振・泥状便・水様便・元気がない・四肢が冷たい・脈沈など脾陽虚の症状をともなうとき(腎性浮腫・低タンパク性浮腫・妊娠浮腫など)に用いる。
  3. 脾虚による自汗に用いる。とくに病後の小児で、食欲がない・身体衰弱・自汗などの症状があるときには、白朮を必ず使用する。
  4. 風湿による関節痛(慢性関節リウマチ)などに用いる。効能は基本的に蒼朮と同じで、健脾去湿と鎮静止痛の効能を利用する。
  5. 流産防止に用いる。
用量 3〜12g
使用上の注意
  1. 白朮は温・燥の性質があるので、高熱・陰虚火旺・脱水(津液不足)・口や舌の乾燥・煩渇・尿が濃い・湿熱の下痢(赤痢・急性細菌性腸炎など)・肺熱による咳嗽などには使用すべきでない。
  2. 蒼朮との比較:蒼朮は、性味が辛烈で・燥散の性質が強く、補益力が弱い。白朮は、微辛でやや苦味があり・発散よりも補益力の方が強いので、健脾に適している。
生薬画像