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生薬名・・・・牡蛎 ぼれい

 

生薬名 牡蛎(ぼれい)
基 原 神農本草経の上品に収載。カキ科 Ostreidae 牡蛎 Ostrea gigas Thunb. (カキ)の貝殻。
性 味 味は鹹・渋、性は微寒。(帰経:肝・胆・腎経)
主成分 炭酸カルシウム(80〜95%)・リン酸カルシウム・硫酸カルシウム・有機成分の keratin など
薬理作用 重鎮安神・平肝潜陽・収斂固渋・軟堅散結・制酸止痛
鎮静・鎮痛作用、収斂作用、解熱作用、腫塊消散・減少作用(軟堅)
臨床応用
  1. 盗汗・自汗に有効である。牡蛎12〜15gを煎じ2〜3回に分けて服用する。
  2. 頸部リンパ腺炎・甲状腺腫・肝臓や脾臓の腫大などに有効であるが、作用機序は明らかでない。
  3. 高血圧症などで見られる胸があつ苦しい・怒りっぽい・頭がふらつく・顔面紅潮頭部の熱感・不眠・動悸などの肝陽上亢の症状に用いる。胸腹部の動悸・筋肉の繊維束性攣縮にも牡蛎を使用する。
  4. 夢精・不正性器出血・帯下などに用いる。
  5. 虚熱に用いる。陰虚の潮熱・発熱疾患後の微熱などで体の衰弱や多汗をともなうときには、生牡蛎を用いる。生牡蛎には水分を保持し・大便を整え・虚熱をさます効果がある。
  6. 胃・十二指腸潰瘍で心窩部痛・胃酸過多などの症状があるときに用いる。含有する炭酸カルシウムに胃酸を中和する作用がある。
用量 湯剤には15〜30g。頸部リンパ腺炎には90〜120gまで用いる。先に煎じる。粉剤は毎回3〜6gを沖服する。
生薬画像