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生薬名・・・・檳榔子 びんろうじ

 

生薬名 檳榔子(びんろうじ)
基 原 名医別録の中品に収載。シュロ科 Palmae 檳榔 Areca catechu L. (ビンロウジユ)の成熟種子。鶏卵状にとがった球形をしているのを尖檳・鶏心檳榔ともいう。
性 味 味は辛・苦、性は温。(帰経:胃・大腸経)
主成分 arecoline C8H13O2N などのアルカロイド・ condensed-tannin ・一種の紅色素(檳榔紅)
薬理作用 殺虫・消積・理気
駆虫作用・健胃作用・抗ウイルス作用・抗真菌作用・縮瞳作用
臨床応用 生薬の有効な駆虫薬として重要である。
  1. 条虫に用いる。ブタ肉条虫には90%以上の治癒率がある。短小な条虫にも十分効果的である。牛肉条虫にはあまり効果がないが、アテブリンか南瓜子と一緒に用いると効果がある。檳榔子60〜90gに適量の水を加えて20〜30分煎じた液を経口的に服用してもよいが、十二指腸カテーテルで注入した方が効果がある。
  2. 肥大吸虫 Fasciolopis buski に用いる。檳榔子の煎液だけでも効果がある。
  3. 回虫・鞭虫にも効果がある。
  4. 行気導滞に用いる。赤痢の初期に使用すると、腸内の異常発酵を軽減し・炎症性浸出物の排出を促進して、裏急後重を軽減する。
  5. 理気逐水に用いる。水腫(脚気・肝硬変による腹水など)には、檳榔子を大量に配合するのがよい。
  6. 縮瞳に用いる。緑内障の治療に煎液の点眼を応用する。
用量 駆虫には9〜90g、他の場合は6〜12g。
使用上の注意
  1. 副作用は下痢・悪心・嘔吐・胃腸痙攣などである。
  2. 条虫駆除には煎剤を冷やして服用した方が副作用が少ない。
  3. 駆虫薬として用いるときは、檳榔子を数時間水につけたのちに煎じた方が効果がある。
生薬画像