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生薬名・・・・玉竹 ぎょくちく

 

生薬名 玉竹(ぎょくちく)
基 原 ユリ科 Liliaceae 玉竹 Polygonatum officinalle All. (アマドコロ)の根茎を乾燥したもの。
性 味 味は甘、性は微寒。(帰経:肺・胃経)
主成分 強心配糖体 ・ chelidonic acid C7H4O6 ・ alkaloid ・ ビタミンA類物質 ・ nicotinic acid ・ 粘液質。
薬理作用 滋陰潤肺・養胃生津
強心作用・副腎皮質ホルモン様作用、軽度の血糖降下作用・潤腸通便作用
臨床応用
  1. 潤燥(滋潤)に用いる。
  2. 陰虚のものの感冒で、風熱咳嗽(黄痰・粘痰・咽痛・口乾などの熱象と発熱・悪風・頭痛などの表証をともなう咳嗽のこと。)・肺燥(肺陰不足)などの症状が現れたときに使用する。玉竹には清熱の力はないが、解表薬に配合し発汗と滋陰を同時に行うと解表薬による発汗のために脱水(傷陰)が生じるのを防ぐ。
  3. リウマチ性心疾患に使用する。心拍数を増し・血圧を上げるので、頻脈・高血圧には使用しない方がよい。
  4. 虚弱体質に、一般的な滋補薬として使用する。ただし、効力は弱くおだやかで、清熱補益の効果がある。
  5. 冠不全による狭心痛に使用する。
用量 玉竹の力は弱いので多量に用いる必要がある。一般に9〜15g、強心の薬味として使用するときは30〜60g。
使用上の注意
  1. 玉竹の滋補能力を過大に評価してはならない。“人参の代わりに用いる”、“人参・地黄の代わりに用いる”、“人参・黄耆の代わりに用いる”などと推賞した古人もいたが、みな過大評価である。実際には、滋補の効能は黄精程度(両者とも潤肺してやや滋補する)、潤燥の効能は麦門冬程度で、重症の気血両虚(気陰両虚)には役に立たない。
  2. 天門冬との比較:玉竹は清熱の力は弱いが、補陰しても消化機能を障害しない。天門冬は清熱の力が強く、補陰するが、しつこくて消化されにくい。