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生薬名・・・・茵ちん蒿 いんちんこう

 

生薬名 茵ちん蒿(いんちんこう)
基 原 キク科 Compositae 茵ちん Artemisia capillaris Thunb. (カワラヨモギ)の幼苗を乾燥したもの。日本では花蕾を用いる。
性 味 味は苦、性は平。微寒。(帰経:脾・胃・肝・胆経)
主成分 capillene C12H12 ・ capillone C12H12O ・ capilline ・ folic acid ・ dimethyl-aeseuletin C16H18O9 ・ caffeic acid C9H8O4 ・ β-pinene
薬理作用 清熱利湿・退黄疸
解熱作用・利胆作用・抗菌作用・抗ウイルス作用・抗真菌作用・脂質降下作用・降圧作用など
臨床応用 黄疸に対する主薬である。
  1. 湿熱による黄疸に用いる。陽黄(ミカンのように鮮明な黄疸で、急性黄疸型肝炎・胆のう炎などの急性炎症で見られる)に対し、茵ちん蒿のもつ胆汁の分泌・排泄の促進作用を利用する。
  2. 寒湿による黄疸に用いる。
  3. 柴胡の代用として清熱に用いる。茵ちん蒿・柴胡はともに解熱作用があり、中医の経験によるとどちらも肝胆経に作用し、肝胆実火をさますものである。茵ちん蒿は柴胡より薬性がおだやかなので、陰虚のものが実熱を呈する疾患にかかり、柴胡で清熱すると燥性が強すぎて悪影響(傷陰)があらわれる恐れがあるときには、茵ちん蒿で代用する。
用量 15〜30g
使用上の注意 虚黄とは、淡白色を帯びた黄疸で、尿は正常・味覚が淡白・脈弱などの気虚の症状をともない、貧血・寄生虫などで生じる。これは湿熱によるものではないので、茵ちん蒿は用いるべきでなく、補中益気の薬物を使用すべきである。
生薬画像