第6回「子どもとまちづくり」

川崎学V「子どもの遊び環境とまちづくり」

  第6回「子どもとまちづくり」 結まちづくり計画室)萩原礼子さん
  日時:2001年12年15日(土)13:00〜16:00
  場所:生涯学習プラザ3F

□子どもとまちづくり/子どもの遊びから、まちを見る(荻原礼子)
・親が連れ出さないと遊ばない。何やれば良いの?
・遊びを通じて仲間が出来ていく。
・遊びの3要素。仲間、空間、時間。
・遊ばないので外に出すため、塾などに通わせることもある。
・川の遊び、生き物を取る遊びは、長く遊ぶが、公園等では続かない。
 公園は安全のため見通しが良いのでかくれんぼも出来ない。
・禁止事項が多く、木にも登れない、遊びにくい公園。
・学校でも柵をしたりして、遊び場が狭まっている。

スライドを見ながら。
・昔の庭での遊び。
・家のまわりもコンクリートで覆われている。
・マンションでも共有できる空間、遊び道具を置ける場所があれば。
・どろぼう警察遊び。一番熱中する遊びだった。路地。
・柵を牢屋に見立てる。空間を作る、工夫していくことが、遊びの本質。
・今の公園は、そういう見立てが出来ない空間になっている。
・塀もブロックになって、路地、道もつまらなくなっている。
・お父さんの日曜大具の見よう見まねで、いろいろ作る。
・土管などが遊び場の基地になっていた。今は鉄条網で囲う。
・神社は魅力的な空間。夏も涼しい、セミもいる。オープン環境だった。
 最近は「子ども立ち入り禁止」が多い。
 土もアスファルトになってしまう。
・崖も面白い遊び場。柵を乗り越える根性のある子どもも少なくなった。
・秘密基地。小4〜5年生になると必ず。仲間の結束で秘密を共有。
 自立の過程で必ず経る遊びではないか。
・川遊び。昭和初期は三軒茶屋でも泳いで遊んだ。飛び込みも。
 昭和40年以降、洪水対策でつまらない川になり、埋められてしまう。
 埋めた後の空き地で遊ぶ。周囲の親は学校に通報する。
 直接言わないで「陰険」。役所はプランタ等で遊ばせない工夫をする。
・ブランタの下も土から、ダスト舗装にしてしまう。
 近隣の人。土をいやがる、泥、霜柱。
・禁止事項がたくさんある公園。
・原っぱで残してほしい。草取りをみんなでやることで理解を得る。
・地域の保育園とイベントをしたりして、地域を巻き込む。

・世田谷。3つのプレーパークが出来て、今一つ、立ち上げ中。
 自分たちで責任をとる。地域のコンセンサスをとりながら。
 木登りも出来る。土、水があり、泥遊び、水遊びが出来る。
・穴を掘り始めると、自然に大きな子が仕切るようになる。
・廃材もあり、工具も用意されていて、いろいろ作る。
・ホースで水かけっこをする。最初は泥遊びも出来ない、草の中にも入れない。
・普通の公園では望めない遊びが出来る。
・小屋の屋根から飛び下りる。ハラハラドキドキ。子はわくわく。
・火をたきたい。料理も作りたい。生活体験を豊かにする。
 昔だったち当たり前のこと。お母さんたちも関心。さんまも焼きたい。
・幼児サークルの拠点にもなっている。
・自分たちの場所と言える場所でないと自由に遊べない。
・子どもたちの遊べない理由。親が管理的な関わり。
 公園でも、回りを気にして、砂場遊び、、をしないといけない。
 危ない遊びをしていると、「真似するから止めてくれ」と言われる。
・地域の情報板もある、地域の輪が広がる、人材も集める。
・公園があることは大事なこと。
・道具もある。自然に生活の中で物を作ることの再現。
・たくさん集まって、釘さし。大きな子がワザを見せる。
 中高生が夢中になってやると、小さい子が始める。

・子育ての中でストレスが発生。子育て支援。
・自主規制しがち。伸び伸びしない。
・自らの発意を大事にする。遊びの中で育てる必要がある。
・幼児期からの遊び環境、子育て環境が大切。
・縦型の集団が必要。

・地域ぐるみで考えたい、子どもの心と体を育てる環境 ヒント集
 ・サルに進化/空間
   ちょうせん遊び(のぼる、すべる、もぐる、わたる、とびおりる)
   ターザン(ゆれる、ぶらさがる)
   たんけんあそび
   かくれが、けものみち
 ・原始人に進化/素材
   水、泥、草まみれ
   水遊び
   穴をほる
   たき火
   基地づくり
   つくって遊ぶ(弓矢、竹馬)
   狩り(虫、魚などをつかまえる)
   草、花、実で遊ぶ(色水、花かざり)
 ・村人に進化/仲間
   おにごっこ、かくれんぼ
   ちからくらべ(すもう、おしくらまんじゅう)
   技をきそう(コマ、クギさし)
   ごっこ遊び(げきあそび)
 ・スポーツやのりもの遊び
   野球、サッカー、ドッジボール
   自転車、ローラーブレード、キックボード
 ・みんなで生活を楽しむ場所
   たき火料理
   はたけづくり
   動物をかう
   おまつりひろば
   じょうほうけいじばん
 ・わたしのお気に入りの場所
   きれいな草花
   大きな木(夏の木かげ)
   水や風のあるところ
   すわれるところ
   ねころべる草はら

・今はバーチャルで経験さぜるを得ない。ポケモンも。

・単に広場があるかを見るだけでなく、環境の豊かさ、生活の豊かさは、
 便利、機能的だけではなく、次の人を育てていく環境があるかないかの視点が必要。
・作れば良いだけではなく、大人の関わり、遊びの文化の継承が必要。
・子育て支援。

・横浜、泉公園。小学校の授業と連携して、公園作り。
 先生は地域を知らなかったので、「今日は子どもが先生」
・湧き水もある。
・グループリーダに地域の人になってもらう。リーダ育成にもなっている。
・公園作りの中で輪が出来て、地域のネットワークにもなる。管理も。
・世田谷、北川沢緑道。「子どもと緑を育てる会」を作って、考えながら
 作った。生き物の来易い川を作った。学校のエコクラブも参加。
・水田の土を盛ったら、いろんな草花が生え、カルガモも来た。

・学校の校庭、敷地を考えよう。「楽しい場所にしよう」PTA講座。
 「あったら良いな、こんな校庭」 学校の中の魅力あるところのマップ。
・当局とお母さん達が戦っている。
・トンボ池もだが、自分たちの居場所を作る、楽しい学校を作ることが大切。
・学校が社会資源として、いかに地域に関わっていくか。
・イギリス、学校の校庭から始まったデザインチームが、地域のデザインに
 つながっいていく。学校が地域の拠点になると良い。
・管理する大人、管理される子どもの関係から、校庭を楽しい場所、
 楽しく過ごせる場所になって欲しい。明日も行きたくなる学校。
・先生と生徒、親、行政、人間関係を見直すことにつながる。

□みんなで考える子どもとまちづくり。質疑応答、ディスカッション。

・子どもたちの遊び。三間。
・子どもたちが遊びを創造していく環境つくり。支える地域の協力体制。
 都市空間、健康の森、学校の場。
・子どもの参画。

Q:子どもたちをとりまく仲間?
・幼稚園以外の場で遊ばせることが少ない。一人では危険だな。
・西丸子小学校、コミュニティルーム。親たちの要求が多い。
 細かく立ち入りすぎる感じ。子育てグループ、よその子をあずかる時、
 自己責任、、、たっぷり遊べる仲間、、作りにくい。
・年の違う子どもらが集まって遊ぶケースが少ない。リーダも出来ない。
・健康の森で他の区の人と仲間が出来てきた。
 お母さんらが仲間作りが出来たら良いね。
・健康の森の草刈りに、子連れも参加する。すがお小。
 小学校、平瀬川源流の見に来る。総合学習で広がっている。公園作り。
・井田山の様子。

・校庭の端にあるコミュニティルーム。
「何かあったらどうする?」といいがちだが、新しいところで例を作って
 他に広がったら良い。近くの等々力公園。健康の森。津田山の夢パーク。
・繰り返し自然に触れることができる場所が必須。学校でも地域でも良い。

・家の子どもの様子。ゲーム。

・公園遊び、落ち葉に入ろう。個人の責任で遊ぶことのできる遊びを
 作ろうとしている。親通しの信頼がないと、子どもたちも遊べない。
 信頼関係を作ること、仲間作りが必要。

・親たちが仲良くできないと、子どもらも一緒に遊べない。
 親たちの年代が離れていても、つきあうべき。
・むじな池公園、麻生の白山。ヘドロがたまり、池を改修して、見通しを
 良くした。クイで遊んでいたら、「遊び禁止」の立て札。
 改修する時は、子どもらがどう遊ぶかを考えるべきだった。
・その時の集まりの流れで、近くの林をどうしようかと話しが始まった。

・今、サッカーのグループに入ってこないと、横の連絡がない。
 クリスマス会に誰が呼ぶか。何かのきっかけで集まってくるのでは。

・公園も、住民の考えに近づいてきているのではないか。
 菅生緑地。いろんな人が来ている。公園らしい公園にしない。
・多摩川の敷地、もう少し使い方があるのではないか。
 トイレはあるが、遊び道具はないので、自由に遊べる空間。
・狛江地区、川崎側、大改修をした。川に入れない。危ない。
 川が氾濫して、池が出来た。トンボ池として残すことになった。

・今の子、がき大将がいない、遊び下手。地域のリーダも少ない。
・平間文化センタ、子どもは集まらない。イベントがあると来るが。
・子どもらに計画させて、やらさる方が良い。
・近くには自然がない。魚釣りをする場所がない。
・安全管理の意識が強い。子どもに冒険心がなくなってきた。
・女親を洗脳する必要がある。遊びを奨励しないといけない。
 勉強している?、塾通い、日常の管理が厳しくなる。

・多摩川の河川敷をもっと活用した方が良い。
 キャッチボール、凧揚げの姿もみかけない。
 ホームレスの影響? 怖いぐらい。
・親たちも連れていかないのが一員。
・6ケ月の赤ちゃんがお尻を振って喜ぶ。ふれあい広場。
 1週間に1回の頻度ぐらいが丁度良い。多いと小グループになってしまう。
・ゲームを持っている人が英雄。仲間作りにもなっていく。
・たくさんの人が集まることの出来る場所を作ることが大切。

・仲間、少子化の影響が大きい。自主保育の仲間、年の違う子どもがいないと
 わぁーと遊べない。
・横浜市瀬谷区。場を作っていくことが大切。生活圏でどうやって、親通しが
 遊べる環境を作るかが大切。公園で、普段できない遊び。瀬谷っ子広場。
・保健所も、サークル作りも、3世代子育てに力点が移る。
 旗を立てると、「瀬谷っ子クラブ」の活動と認識してくれる。
・町内会、子ども会が不振だが、幼児クラブが必要では。
 徒歩圏の公園を活性化していく施策が必要。
・子育て支援と、大きな子の冒険遊び場も合わせてやっていく。
・近くで、気軽に集まることのできる溜まり場があって欲しい。
・日常的な遊びをやっていく会みたいなものが出来ないか。
 昔は、紙芝居が集まりを作っていた。

・改修する時、子どもの遊びを観察することが大切。
・麻生の健康の森、竹藪に秘密基地がいっぱいある。

・一日、子どもたちの遊んでみる。雑木林。
・子どもの様子を見ると、「見守っていこう」という雰囲気が出来る。

・安全の問題。行政が関わることで「文句」がでる傾向がある。

・世田谷のプレーパークをどう評価するか。
・プレーリーダ的存在が必要。
・健康の森の指向性と違うだろう。
・川崎の中で、子どもの遊び場を作っていく中で、世田谷型が良いのか、
 他の方法は良いのか?
・予算の問題で、プレーリーダは難しいだろう。
・学校の校庭でプレーリーダ的な存在が成立しないか。
 文部省の来年度の計画にもある。

・市民参加型の公園での近所の関わり、健康の森、保育所の子育て支援の中で。
 いろいろな形態があるだろう。

・世田谷も、減らしたいと考えている。
・横浜、地域でずーっと面倒を見ていくのも大変。

・土曜日、体育館と校庭、遊びの広場事業。ちらかし放題。
 わくわくプラザ。
・地域施設として、住民が関わっていくことで、、。
・校庭開放委員会、地元の顔役から形成。閉鎖的。
 野球等クラブが独占しがち。その他の子どもがはじかれてしまう。
→魅力的な校庭って、どんな校庭?
→子どもらがどう楽しく使っていけるかの観点が必要。
→おやじの会、校庭作りに関わっていくケースが増えていく。
 タイヤの遊具作り、穴堀り、、、etc

・イギリス、地域再生、コミュニティ再生へと展開も見せている。
・総合学習、校庭計画、地域のPTA、造園家も参加している。
 まちづくりセンタも作る。バンダリズム、破壊、落書きも盛んなので。

□まとめ
・校庭開放の動きがあるので、川崎流のプレーリーダも出来る可能性あり。
・公園型、健康の森型、いろいろな形がありうる。

以上 文責:竹井


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