第二部 リブの女 あらすじ

@ CPで言語障害のある稔、それでもモナリザ裁判の証人にと決意。    

A モナリザ裁判の証人に立つ稔。      

B CPとして自分史を書こうと思っている稔、不自由な手で原稿執筆もままならず口述筆記を誰かに頼みたいと日頃から願う。    

C 国際婦人年、リブの女たちはメキシコへと、羽田で希理子が口述筆記を承諾。

D リブの酒場で男と女の談義。

E 『第二の性』米人ケンがお年賀のアパート止宿人に。

F 喫茶店で初めて希理子を待つ稔、田井たちがメキシコへ発った後のリブの館は忙しい。新宿でホステスをした後の仕事の話。

G 男と女、障害者と健常者、白人と黒人、部落民となど差別談義。

H 同じ負い目は人種間でも。パリの日本人。障害者同志の性、千代ちゃんがお迎いに。裁判の判決当日。25日の拘留け免れ、三千円の科料で済んだが、博物館側の非は全く認めない判決に希理子たちは最高裁への上告を決意する。

I 稔はそれ以来、飛び廻る希理子が案じられて仕方がない。誰かが歯止めをしてやらねば、一途な希理子を思う時。一夜、稔はたまりかねて栃木県の「ひばり園」まで電話する。

J それでも希理子は相変らず各種の解放運動の活動家や集会へと飛び廻る。稔もコレクティブの集会に出席。今西君、黒岩君に紹介される。

K 久美と日曜の午後新宿へ買物に出たが、先に帰った稔は希理子を安部の経営する「いこい園」へ連れて行く。だが進歩派の安部の共感は得られない。自治会長の来島と集会の約束はしたが、今度、都で建設中の「不二養育園」の委託経営を運動中と聞いて稔は思い当る。

L CP職員であり「赤い実の会」の役員をしている古森を家まで送る。CPとリハビリ。

M その後、二人は夜食を共にする。健常者と障害者の性関係。

N 稔のアピール。裁判闘争集会で久しぶりに金木君に会う。電気屋仲間の同業者として。

O 解放運動の大先輩、高宮のお婆ちゃん。枯れすすきを歌いながらのアピール。言語障害のひどい金木君のアピールも続いた。

P 希理子が稔の所へ原稿筆記に通い始めた。希理子の運動の一環として、障害者のための街づくりを提案。

Q 同じ片下肢ポリオの希理子と黒岩、二人と一緒に障害者情報センターへ。

R 希理子を連れて「いこい園」へ。集会には「赤い実の会」の役員であるCPたちを中心にして参加した。ポリオとCP。

S 稔の原稿筆記は順調だが、希理子の上告書提出の期限も迫り、稔も資料の仕訳を始めた。米人ケンの助けを頼む。提出日前日コレクティブは黒岩、今西、直美も総動員で作業していた。

(21) 上告書提出の数日後、新宿の飲み屋で慰労会。だが今西も直美も来ない。「いこい園」の保母、和泉から「ひばり園」の告訴(障害者の権利を守る)を取止めた話を聞く。

(22) こつこつ稔の所へ筆記に通ってくれる希理子。補助靴がこわれ、ポリオの麻庫した肢に稔が触れる。

(23) 希理子の肢への幻想。ある朝、久美からレンプラントの名画「夜警」が失業者によって破られたのを知る。

(24) 翌々日、希理子に数年前リブ合宿で写された上半身だが全裸のグラビアが載った週刊誌を見せてもらう。

(25) 稔は希理子に対する情念の深まりを知る。フロイトの異端的弟子ライヒについて。

(23) 希理子の肢への幻想。ある朝、久美からレンプラントの名画「夜警」が失業者によって破られたのを知る。

(24) 翌々日、希理子に数年前リブ合宿で写された上半身だが全裸のグラビアが載った週刊誌を見せてもらう。

(25) 稔は希理子に対する情念の深まりを知る。フロイトの異端的弟子ライヒについて。

(26) 希理子がメキシコ行きを決意。希理子への情念の処理に苦しむ稔。過去を省みてあれ程障害者を忌み健常者との結婚を望んだ稔。

(27) しかし家庭内では稔は唯一人の障害者であった。子供たちや久美の肉親たちとの関係。過去へとさかのぼる。

(28) その年の暮、最高裁から却下の判決。コレクティブで残念会をかねた忘年会。