睡眠時無呼吸症候群(SAS )
一晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上おこる、または睡眠1時間あたりの無呼吸が5回以上おこる状態を、睡眠時無呼吸症候群といいます。
睡眠時無呼吸症候群では、十分に睡眠がとれず、日中の眠気、集中力の低下、倦怠感といった症状が起きます。場合によっては、居眠り運転による事故を起こしやすくなります。また、酸素不足のため、不整脈や心不全の原因となることがあります。
睡眠時無呼吸症候群の多くは、閉塞性と言って、睡眠時に咽頭や舌の筋肉の緊張がゆるんで、咽頭が塞がることで起こるものです。従って、必ずいびきを伴います。ひどいいびきをかいていたと思ったら、ぴたっと呼吸が止まり、しばらくしてまたひどいいびきをかき出す、というのが典型的な例です。また、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の人の7-8割は肥満を伴います。
耳鼻科では、まず鼻や咽喉に、睡眠時の閉塞の原因や増悪因子になる疾患がないかを観察します。睡眠時無呼吸症候群の最終的な診断には、一晩入院して睡眠時の呼吸の状態や脳波などを調べる、終夜睡眠ポリグラフが必要です。簡易的に自宅で無呼吸の状態を調べる機械でも、ある程度の診断ができます。
軽度の無呼吸であれば、減量や、寝るときの姿勢の工夫(横向きで寝ると、咽頭は閉塞しにくい)で対応できる場合もあります。また増悪因子である、鼻の病気の治療を行います。
中等度以上の無呼吸では、CPAPといって、鼻にマスクを着けて、のどに空気を送り込み、咽頭が塞がらないようにする方法が、治療の基本になります。ただし、この方法も、アレルギー性鼻炎や鼻中隔彎曲症などのために鼻がつまっている場合には、治療効果が得られませんので、耳鼻科的治療も必要になります。
咽頭の手術によって、治る場合もあります。しかし、咽頭の手術が有効な患者さんは、以前言われていた程多くはないことが分かってきています。専門家の適切な診断によって、手術適応を決めるべきで、安易に咽頭の手術をすることは薦められません。
当院では、簡易的に自宅で無呼吸の状態を調べる方法を行っております。これにより、その方の呼吸の状態が、安心していただいてよいものなのか、本格的に検査や治療が必要なものなのか、知ることができます。その結果によって入院しなければならない検査や治療が必要な場合は、専門家のいる病院をご紹介します。