シネマ大全 あ行・ウ

 姑獲鳥(ウブメ)の夏  2005年 日本

昭和27年夏、東京。
小説家の関口は、生活のために請け負った雑文のため怪しげな噂を追っていた。
ある大病院の娘・梗子が、20ヶ月も妊娠しているのに産気づかないというのだ。
その上、彼女の夫も1年半前に姿を消し、行方不明のままだという。
関口は何かにつけ頼っている友人の京極堂に意見を求める。博学な古本屋店主である彼の助言にしたがい、関口は同じく友人の探偵・榎木津に相談することに。
そこで関口は、梗子の姉で失踪した義弟の捜索依頼に来ていた涼子と出会うのだが…。

梗子&涼子役の原田知世の使い方が上手い。
彼女は、こういう役をやった事がないはずだ。全篇、おどろおどろしい内容の物語のキーパーソンを“植物性”の原田知世が演じる事によって、この映画は、異常な油っこさから救われた。

あの墓場と墓場に挟まれたデコボコの道も、最近の邦画ではめったに見られない作品世界=結界の想像に貢献している。

さすが、実相寺昭雄監督。

映画の一番最初に“御祓い済み”という刻印が出て来るのには、笑えたし、ホッとした。

2005.7.20)