シネマ大全 た行・ト

 トランスフォーマー     2007年 アメリカ

物語は2003年、火星探査機ビークル2号の事故から始まる。
その事故の裏に、NASAが封印し最後の交信として残されていたある映像があった。
そして、それこそが、未だかつてない地球侵略を防ぐことが出来た人類への唯一の警告であった。
やがて、未知の惑星から、あらゆるテクノロジー機器に姿を変えられる金属生命体が地球へと到達する。秘された目的のために彼らは一斉にトランスフォーム<変身>をはじめ、北極海の厚い氷の下で、灼熱のカタールで、パリや東京、アメリカの都市で、そしてまたエアフォース・ワンの機内で、立ち塞がる人類への攻撃を開始した…。


やっとの事で父親に中古車を買ってもらったばかりの思春期の坊やとイケている同級生の女の子との恋の行方も、同時進行する。

シーン終わりの台詞の切れ味が、なかなか良い。
日本映画がいつまでも経っても真似出来ない“スピルバーグ印作品”の良い所の一つだ。
母親との会話。

“何で、そんなに汗をかいているの?”

“19歳だから”

異星からやって来たのは、何と“金属生命体”だった。
だいたい、「ターミネイター2」に出て来た敵役“液体金属”だって訳わかんなかったのに、またまた、“あんたら、一体何者でんねん???”って感じだ。

何にでも「変身」してしまう“何でもアリ”のこの異星人たちは、実は…。
そう。
生命というものが金属でないというのは、所詮、我々地球人の勝手な思い込みなのだ。

でも、ちょっと、“ガンダム”そのまんまっぽい。
異星人たちが時にプラモデルに見えてしまうのは、ご愛嬌か?

あまり細かい所にはこだわらず、“ひと夏のコミック的体験ムービー”として楽しむ分には何の問題もない。

(2007.7.24)