シネマ大全 た行・ト

 トスカーナの休日   2003年 アメリカ=イタリア

夫の裏切りは、まさに青天の霹靂。サンフランシスコ在住の作家・フランシスは、離婚によって、住む家を失い、慰謝料まで払うはめに。
失意のどん底にある彼女を、親友のパティが、イタリアのトスカーナ地方をまわる10日間のツアーに強引に送り出す。鬱々としたまま旅を続けるフランシスだったが、コルトーナという町で、“ブラマソーレ(太陽に焦がれる)”の名を持つ築300年の売り家に一目で惚れ込み、衝動買いしてしまうが…。

作家であるフランシスは、小説が書けなくて、仕方なく他人の作品の書評などを書いている。
その意味でも“失意の日々”なのだが、ラストまで観ていると、“人生、何が幸いするか本当にわかりまへんで!”という映画でもある。
部分部分、弱い所はある。が、貧しくとも幸せなトスカーナ地方の人々と陽の光が、“人生、完璧じゃなくても、悪くないじゃないか!”と、都会で生きているだけで、自然に傷ついてしまう現代人に語りかけてくれる。
土地柄が人を変え、幸せにして行く、という意味では、「ホテル・ハイビスカス」に似ている。
観終わって幸せな気分になれたが、字幕スーパーで“的を得た”という表現ミスがあったのが、残念。もちろん、“的を射た”が正しい。

(2004.7.10)