シネマ大全 た行・ト

 ドリームガールズ     2006年 アメリカ

1962年デトロイト。エフィー、ローレル、ディーナのコーラストリオは、歌で成功しようと毎夜オーディションなどに出場していた。
そんな彼女たちを、カーティスという男が目を付けた。やがて、デトロイトで抜群の人気を誇るスター、ジミー・アーリーのバックコーラスを務めることに…。
そんな3人はカーティスをプロデューサーに、ドリームガールとしてデビューを飾る。
次々にヒット曲を放ち、トップスターの仲間入りを果たすのだが…。


『シカゴ』の脚本家、ビル・コンドンが監督し、2006年度の映画賞レースでも各賞を総なめにし、アカデミー賞にも最多8部門にノミネートされた。
主演のビヨンセが、映画の進行と共に、“元ネタ”である、元シュープリームスのダイアナ・ロスに段々と似て来る所がコワい。
ジャクソン・ファイブがモデルと思われるグループのちびっこヴォーカリストは、マイケル・ジャクソンに違いない。

だとしたら、同時代を生き、活躍していたレイ・チャールズと、映画『レイ』で彼を演じてオスカーを獲得したジェイミー・フォックスとの“接近遭遇”とか、もう少し、遊び心や洒落っ気があっても良かった気がする。

万事、金、金、金で動き、生き馬の目を抜くショービズの世界のエグさを丹念に描くあまり、ミュージカル映画が本来持つべき“キュートさ”が何処かへ飛んでしまった恨みは、確かにある。
しかし、それを補って余りあるのが、稀代のエンターティナー、エディー・マーフィら豪華キャストによる熱い歌と、彼ら黒人アーティスト達のそれぞれの“痛み”が伝わる演技だ。
その強いエネルギーが、観客席までビンビンと伝わって来た。

アカデミー賞助演女優賞を獲得したジェニファー・ハドソンのド迫力&厚かましさ、そして、その歌唱の素晴らしさは、絶対にビデオ等ではなく、劇場の大画面&大スピーカーで堪能すべきだと思う。

(2007.3.10)