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サラリーマン・有須の唯一の楽しみは、人気作家・黒田のミステリー小説を読む事だった。
ある時、有須の前に謎のウサギ男が現れ、続いて妻ちさとが失踪するなど、次々と奇妙な出来事が起こる。やがて、黒田の新作「スターフィッシュホテル」を読んだ有須は驚愕する。そのタイトルは有須のかつての不倫相手・佳世子と出会ったホテルの名前であり、その本には、いま有須の身の周りで起きている事が書かれているのだった…。
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ジョン・ウィリアムズ監督
出演／佐藤浩市、柄本明、木村多江、ＫＩＫＩ、串田和美、綾田俊樹、嶋田豪ほか。
何とも不思議なムードの映画だ。
現実と幻想の世界を行ったり来たりする様な、ミステリー・タッチ。
“不思議の国のアリス”のウサギさんが出て来たかと思えば、何と“路上での性行為”なんぞも出て来る。
着ぐるみの男を演じる柄本明が、抜群に良い。
映画にとって、番組にとって、恋する２人にとって、最も大切なのは、“全体のムード”だ。この辺りがチャランポランな映画が多過ぎる。
その点で、最近良かったのは、邦画では「いつか読書する日」。
原作物ではないのに、映画全体に文学の香りがして、懐かしい図書館の匂い、古い単行本の匂いがした。優れた映画には、香りも色も味もある。
（2005.７.18）
 
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