シネマ大全 さ行・ス

 スイミング・プール 2003年フランス/イギリス 

南フランス・プロヴァンス地方の高級リゾート地。ある夏の日、イギリスから人気女流ミステリー作家・サラが訪れ、出版社の社長・ジョンの別荘に滞在し、新作の執筆に取り掛かる。ところがそこへ突然、社長の娘と名乗るジュリーが現われた。
自由奔放なジュリーは、毎夜ごと違う男を連れ込み、サラを苛立たせる。
だが、その嫌悪感は次第に好奇心へと変化して行き、サラはジュリーの行動を覗き見するように。そんなある夜、ジュリーは、また別の男を連れて帰って来た…。


何よりも、シャーロット・ランプリングで成り立っている映画。
そこが強くもあり、弱くもある。
今年58歳の彼女のオール・ヌードが美しいのには参った。
彼女を発見したのは、ルキノ・ヴィスコンティ監督だっただろうか。
ある意味では、現代の「ベニスに死す」であり「家族の肖像」でもある。

ラストはすっきりとはしないが、そんな事は、“フランス映画の真骨頂=アンニュイ”の前では、何の問題でもない。
アメリカの観客は納得しないだろうが、幸い、アメリカが世界の全てではない。
我々も日頃から、勘違いをしない様にしよう。

2004.2.27)