ベストセラー作家・セルジュ・ノヴァクとしての正体を隠した小説家・ダニエルは、義理の息子の結婚式に出席するためカプリ島に向かう船上で、ミラという美しい女性と出逢う。
一瞬にして心を奪われたダニエルは、誘われるままに一夜を共にする。
しかし、翌朝の結婚式、義理の息子の花嫁として現れたのは、何とミラだった。邸宅のあるジュネーヴに戻っても、許されない情事を重ねる二人。妻にすら全てを打ち明けず、社会に背を向けて生きて来たダニエルにとって、同じポーランド出身で、ユダヤの言葉であるイディッシュ語が理解できるミラは、自分に近い存在のように思われた。しかし、関係が深まるほどにミラの存在は謎に包まれ、反対にダニエルの正体が世間に晒され、やがて、ダニエルは築き上げた全てを失っていく…。
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