私が観た映画 年間ベスト10 2002年〜2004年


2002年
地獄の黙示録・特別完全版
あまりにも奥が深い一本。冒頭のヘリコプターの動きは、戦争の世紀であった20世紀の宗教画の様だ。
マジェスティック
J・キャリーのキャラと映画がうまく融合。タランボン監督の人間への視線の優しさ。
たそがれ清兵衛
寅さんの後、山田洋次監督が時代劇へ行くのは必然だった。詳しくは別項の対談を読んでネ。
モンスターズ・インク 
人間の叫び声をエネルギーに変えて暮らすモンスター達の冒険。そのアイデアが秀逸!
ビューティフル・マインド
天才は誰も、その内部に鬼を飼っている。苦悩する数学者の人生をミステリー仕立てで描いた佳作。
マイノリティー・リポート
殺人事件が起こる前に防ぐ近未来の警察という設定は、人類の欠点への痛烈な皮肉だ。
ウェイキング・ライフ
実写の映像の上にペインティング。この実験作への、I・ホークや、J・デルピーの出演も嬉しい。
刑務所の中
人間にとって最も大きな問題は、まずは食べる事。淡々として何も起こらず、そして人生は続く…。
少林サッカー
「七人の侍」からもアイデアを借りた、勢いで魅せるデタラメな楽しさ。画質が悪いのが残念。
10 アザーズ
絶対にラストのオチは、知らずに観るべし。映画全体が湿っていた。さすがイギリスだ。

2003年
レッド・ドラゴン
何よりも、3度目のレクター博士役をA・ホプキンスが楽しんでいるのがいい。次回作は、日本へ来てネ。
猟奇的な彼女
主役の2人が最高にキュート。ラストは久しぶりで、劇場で泣いてしまった。この2人のその後を知りたい。
ファインディング・ニモ
知ってる?これは、「千と千尋の神隠し」のリメイクなんだよ。PIXYならではのイメージの豊かさ。
ボーリング・フォー・コロンバイン
遂にコンビニでの銃弾販売を止めさせるシーンは、静かな迫力があった。行動、起こすべし!
英雄〜ヒーロー
中国の大地にあの美しい色とりどりの布、水の上での戦い…。映像の美しさが映画全体を補完していた。
永遠のマリア・カラス
引退したM・カラスが、部屋で独り、自分のレコードを聴きつつ泣くシーンで、持って行かれた。もう、戻れない。
シモーヌ
映画というもの自体がヴァーチャルな存在なので、全体が二重構造になっている。パチーノが上手い。
トーク・トゥー・ハー
P・アルモドバル監督独特の世界。あの赤色の使い方。美しすぎる女は、寝てても起きてても罪作りな存在か?
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
スピルバーグ監督の軽さと器用さが上手く作用した佳作。レオちゃんもリラックスしていて良い。
10 キル・ビル
確信犯的ハチャメチャ。エンドクレジットで「恨み節」が全曲流れた時は、もうギブ・アップだった

2004年
殺人の追憶
映画全体に漂う憂鬱な感じ、典型的な刑事物の踏襲、ソン・ガンホの演技、ラストの終わり方…全てが素晴らしい。
オアシス
不器用でもハンパ者でも、いいじゃないか。誰だってバカじゃないか。あざとさが昇華して、美しい喋になった。
血と骨
一人の非情な男を通して、今より人間関係が濃かった時代を描く。油だらけの手で、内臓を掴まれた様な気がした。
華氏911
前作より作為的過ぎるが、世界の最高権力者に立ち向かうドン・キホーテの姿は一見に値する。純ちゃん、観た?
笑の大学
戦前の検閲官と喜劇の脚本家。最後まで緊張感を保って、観客を徹底的に楽しませてくれた。三谷幸喜はすごい。
ドッグヴィル
ある村にやって来た謎の女と、村人たち。実験的な試みにノレた。衝撃のラスト、実はハッピー・エンドだと思う。
オールド・ボーイ
やり過ぎ、過剰、濃過ぎ!でも、監督はわざとやって、自分も楽しんでいる。賛否分かれる力作。
Mr.インクレディブル
一つアクションをする度に、息がゼイゼイ苦しそうなヒーローは、新橋のオヤジそのもの。堪能した。
エイプリルの七面鳥
NY人情物語。郊外の素晴らしい風景が安価なビデオ撮影で台無し。だが、ハートは伝わり、温かい。
10 グッバイ・レーニン!
冷戦崩壊時のベルリンの人々の混乱を寓話的に描く。それで今、皆はどうしてる?幸せ?それとも…。