私が観た映画 年間ベスト10 2002年〜2004年
2002年 1 地獄の黙示録・特別完全版
あまりにも奥が深い一本。冒頭のヘリコプターの動きは、戦争の世紀であった20世紀の宗教画の様だ。2 マジェスティック
J・キャリーのキャラと映画がうまく融合。タランボン監督の人間への視線の優しさ。3 たそがれ清兵衛
寅さんの後、山田洋次監督が時代劇へ行くのは必然だった。詳しくは別項の対談を読んでネ。4 モンスターズ・インク
人間の叫び声をエネルギーに変えて暮らすモンスター達の冒険。そのアイデアが秀逸!5 ビューティフル・マインド
天才は誰でも、その内部に鬼を飼っている。苦悩する数学者の人生をミステリー仕立てで描いた佳作。6 マイノリティー・リポート
殺人事件が起こる前に防ぐ近未来の警察という設定は、人類の欠点への痛烈な皮肉だ。7 ウェイキング・ライフ
実写の映像の上にペインティング。この実験作への、I・ホークや、J・デルピーの出演も嬉しい。8 刑務所の中
人間にとって最も大きな問題は、まずは食べる事。淡々として何も起こらず、そして人生は続く…。9 少林サッカー
「七人の侍」からもアイデアを借りた、勢いで魅せるデタラメな楽しさ。画質が悪いのが残念。10 アザーズ
絶対にラストのオチは、知らずに観るべし。映画全体が湿っていた。さすがイギリスだ。
2003年 1 レッド・ドラゴン
何よりも、3度目のレクター博士役をA・ホプキンスが楽しんでいるのがいい。次回作は、日本へ来てネ。2 猟奇的な彼女
主役の2人が最高にキュート。ラストは久しぶりで、劇場で泣いてしまった。この2人のその後を知りたい。3 ファインディング・ニモ
知ってる?これは、「千と千尋の神隠し」のリメイクなんだよ。PIXYならではのイメージの豊かさ。4 ボーリング・フォー・コロンバイン
遂にコンビニでの銃弾販売を止めさせるシーンは、静かな迫力があった。行動、起こすべし!5 英雄〜ヒーロー
中国の大地にあの美しい色とりどりの布、水の上での戦い…。映像の美しさが映画全体を補完していた。6 永遠のマリア・カラス
引退したM・カラスが、部屋で独り、自分のレコードを聴きつつ泣くシーンで、持って行かれた。もう、戻れない。7 シモーヌ
映画というもの自体がヴァーチャルな存在なので、全体が二重構造になっている。パチーノが上手い。8 トーク・トゥー・ハー
P・アルモドバル監督独特の世界。あの赤色の使い方。美しすぎる女は、寝てても起きてても罪作りな存在か?9 キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
スピルバーグ監督の軽さと器用さが上手く作用した佳作。レオちゃんもリラックスしていて良い。10 キル・ビル
確信犯的ハチャメチャ。エンドクレジットで「恨み節」が全曲流れた時は、もうギブ・アップだった
2004年 1 殺人の追憶
映画全体に漂う憂鬱な感じ、典型的な刑事物の踏襲、ソン・ガンホの演技、ラストの終わり方…全てが素晴らしい。2 オアシス
不器用でもハンパ者でも、いいじゃないか。誰だってバカじゃないか。あざとさが昇華して、美しい喋になった。3 血と骨
一人の非情な男を通して、今より人間関係が濃かった時代を描く。油だらけの手で、内臓を掴まれた様な気がした。4 華氏911
前作より作為的過ぎるが、世界の最高権力者に立ち向かうドン・キホーテの姿は一見に値する。純ちゃん、観た?5 笑の大学
戦前の検閲官と喜劇の脚本家。最後まで緊張感を保って、観客を徹底的に楽しませてくれた。三谷幸喜はすごい。6 ドッグヴィル
ある村にやって来た謎の女と、村人たち。実験的な試みにノレた。衝撃のラスト、実はハッピー・エンドだと思う。7 オールド・ボーイ
やり過ぎ、過剰、濃過ぎ!でも、監督はわざとやって、自分も楽しんでいる。賛否分かれる力作。8 Mr.インクレディブル
一つアクションをする度に、息がゼイゼイ苦しそうなヒーローは、新橋のオヤジそのもの。堪能した。9 エイプリルの七面鳥
NY人情物語。郊外の素晴らしい風景が安価なビデオ撮影で台無し。だが、ハートは伝わり、温かい。10 グッバイ・レーニン!
冷戦崩壊時のベルリンの人々の混乱を寓話的に描く。それで今、皆はどうしてる?幸せ?それとも…。