ミラノ スカラ座 リゴレット
9月22日は待ちに待ったミラノスカラ座を見ることができました。
今まで学生時代からイタリアオペラは徹夜や早朝から並んで
切符を買って見たことはありますが、スカラ座は初めてです。
運良く発売当日に電話が早くつながって、一番安いF席を購入でき
(一番安くても1万3千円もする)、それからずいぶん経って会場に
行くことになりましたが、さすがに有名人もぞろぞろ、NHKホー
ルもいつもと違った雰囲気です。
席はなんとP席のさらに後ろのエクストラシート。さすがにここまで
声は届くのかと心配になりましたが、全く関係なし、オケモ、ソロも
がんがん響いてきます。さすがに世界のスカラ座だ。
日時 H12年9月20日 6:30開演
場所 NHKホール
歌手 ラモン ヴァルガス−−−−−−−マントヴァ公爵
アルベルト カザーレ−−−−−−リゴレット
アンドレア ロスト−−−−−−−ジルダ
バータ ブルチュラーゼ−−−−−スパラフチーレ
エレーナ カシアン−−−−−−−マッダレーナ
チンツィア デ モーラ−−−−−ジョヴァンナ
アンジェイ ドッバー−−−−−−モンテローネ伯爵
ウラジーミル ストヤノフ−−−−マルッロ
フランチェスコ ムジーヌ−−−−チェブラーノ伯爵
ニコレッタ ザニーニ−−−−−−チェブラーノ伯爵夫人
マレリーナ ラウレンツア−−−−小姓
アルド ブラマンテ−−−−−−−廷吏
指揮 ルッカルド ムーティ
オケ ミラノスカラ座管弦楽団
まず一幕、幕が上がるとやはり舞台が豪華だ。NHKホールは奥行きも
あるし、これで舞台までの距離が半分になればいいのだが。マントヴァ
公爵のヴァルガスの声が大きな体に似合わず軽くよく響く。もちろん
ケも好調だ。意外に骨太で重厚な音であるがアンサンブルがとてもよく
管も弦も穴がない。世界第1級のオケの音だ。リゴレットのカザーレも
安定した良く通る声だ。ジルダのフロストは新国で見たときより良かっ
たが人気の割には声量も安定性も改良の余地があると感じた。
後半はオケと歌が溶け合いすばらしい響きを存分に楽しむことができた。
また、日本人10人の弦楽器奏者の舞台上での伴奏音楽も躍動感が合って
きれいに響いていた。
二幕は意外にテンポが早くドラマチックに仕上げたかったようだが、
私にはもっとゆっくりじっくりと聞かせてほしかった。カザーレはここ
でも安定した歌を聞かせチェロのソロは力強く立派な演奏だった。
三幕は何故か川が無くだだっ広いテラスが真中にドンと広がっていて
やや物足りなさを感じたが、殺し屋兄弟の歌はやや唐突な印象ではあっ
たがこれが殺し屋なのかもしれない。
ジルダは最後になって調子を上げすばらしい幕切れだった。
全体にさすがイタリア人だけあって幕間の休憩時間にフルート奏者が
ブラームスを始め有名曲のさわりを何曲か吹いてみたり、終演後オケ
奏者も舞台に上がって拍手に応えたり等、すごいサービスでお客さんも
大満足でした。
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