N響2001-2002シーズンオープニングコンサート (Cチクルス 第1440回)
9月14日(金)19時開演 NHKホール
指揮:準・メルクル
ソロ:クラウディオ・ボルケス(Vc)
プログラム:
ストラヴィンスキー /
組曲「プルチネルラ」
ボッケリーニ/チェロ協奏曲 変ロ長調 G.482
チャイコフスキー/カプリッチョ風小品 作品62
ウォルフ / イタリアのセレナード
メンデルスゾーン / 交響曲 第4番 イ長調 作品90「イタリア」
今日は米国からのお客さんと夜は飲みに行く予定だったが、テロ騒ぎで来日できずおかげでN響に行くことができた。
最初のプルチネルラは小編成のオーケストラ(3.5,3.5,3.5,3,2.5)各弦楽パートのトップが1人で前に座りソロが聴け、管のソロきれいに響いていた。特にホルン(松崎)、フルート(中野)、チェロ(藤森)のソロが良かった。MTTもこういう曲はめっぽううまいが、メルクルもソフトなサウンドでかつ音の切れがよくすばらしかった。
さて、若干二四歳のボルケスをはじめて聴いた。ラテン系の血をひきながら教育は東欧で受け第1回のカザルスコンクール優勝している逸材で既に10台のころから活躍しているという。ボッケリーニのVc協はオリジナル版を使用し一般に演奏されるグリュッツマッヒャー版とは比較にならないほどの超絶技巧が要求される。しかし、ボルケスは低音から高音までむらなく良く響く音色で完璧に弾きこなしてしまった。このテクニックに対抗できるのはヨーヨー・マしかいないのでなないだろうか。次のチャイコのカプリッチョも良くコントロールされたテクニックを遺憾なく発揮してロマン派でのチェロの歌心もしっかり捉えた名演であった。21世紀を代表するチェロ界のホープだ。
後半の第1曲イタリアのセレナードは弦楽SQでもたまに演奏される曲で今晩聴いたオケ版は結構大きな編成で演奏された。管の掛け合いやリズムの変化が重要な要素だが川崎のビオラソロを含めなかなかの好演であった。
最後のイタリアは有名な割には実演ではあまり聴いたことがない。メルクルの指揮はオーソドックスなテンポと構成感で違和感のない自然な音楽作りで聴き応えがあった。もっと他の曲も聴かないと分からないが、このまま成長すればサバリッシュをはるかに超える大指揮者になるだろう。
今晩は盛り沢山の曲を最上級の演奏家で楽しめたが、ボルケスは来日不可能となったシュタルケルの代役として来週のエルガーも弾く事が決まった。来週も楽しみだがBチクルスのチケットは売り切れのようだが果たして聴けるだろうか...