N響2001-2002シーズンオープニングコンサート (Bチクルス 第1441回)
9月19(金)19時開演 NHKホール
指揮:広上淳一
ソロ:クラウディオ・ボルケス(Vc)
プログラム:
ドニゼッティ /
歌劇「ドン・パスクァーレ」序曲
エルガー / チェロ協奏曲 ホ短調 作品85
マーラー / 交響曲 第1番 ニ長調 「巨人」
今日は昼に電話で確認したらチケットは売り切れで当日売りはないといわれたが、ダメ元でとりあえず行ってみる事にした。ちょっと遅れて開演20分前に到着し窓口でキャンセル待ちの番号(23番)をもらってまっていたら最後のBチケットを買えた。しかし、RAという舞台の横で低弦を除き楽員、指揮者は良く見えたがチェロを聴くには最悪の場所であった、6000円弱でここじゃお客さん怒るんじゃないの。
さて、演奏であるが、最初のドニゼッティ 「ドン・パスクァーレ」序曲は初めて聴く曲だが弦の響きが柔らかくとても美しく響く中でソロを弾いたチェロの木越の気合の入った力演が印象に残った。
エルガーの実演を聴くのは今回がはじめて。以前ニューヨークフィルの定期で替わったばかりのチェロのトップ奏者の演奏を聴き損ねて以来楽しみにしていた。先週シュタルケルの来日がキャンセルとなり、急遽代役を引き受けることになった21世紀のチェロの星ボルケスだが、暗譜での堂々たる演奏。この人まずでかい。カザルスのゴフリラーを使用しているとのことだが(カザルスのチェロってもっと黒っぽい入りだったと記憶しているのだが ?)、カザルスが使っているとちょっと大きめに見えるチェロがボルケスが持つと子供のチェロのように見える。また、たしかゴフリラーはメネシスが、カザルスホールで弾いたときにはずいぶん音がでにくそうであったが、ボルケスはそんなことは微塵もない。とんでもなく長い指を持つ大きな手と体力を駆使してらくらくと弾きこなす。ボルケスは豪快さ、繊細さ、気迫(高いテンション)、情熱、に加えて控えめな誠実さと気品を兼ね備えた最高のチェロ奏者といっておこう。ちぇっト誉めすぎだが今のところあらがない。チェロは良かったが、広上の指揮が見える分細かく格好をつけすぎるのが目障りだった。キューを支援する息もやや耳障りだった。
最後のマーラーはなかなか迫力がる演奏であったが、広上の熱意が伝わったようで、会場は大きな
拍手で包まれた。しかし私は納得できない。準・メルクルとは才能の違いがありすぎる。