アンコール・ワット
レリーフの逸品
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乳海攪拌。 第一回廊の東面南側にはヒンドゥー教の天地創世神話で知られる「乳海攪拌」の説話が50mにもわたって描かれている。ヴィシュヌ神の化身である大亀(クールマ)の背に乗せた大マンダラ山を、両サイドから神々と阿修羅(神に対する悪神)が大蛇(ヴァースチ)の胴体を綱として引き合うカンボジアの創世神話である。中央には采配を振るうヴィシュヌ神の姿も見られる。綱引きしながら海中をかき回すといった攪拌が1000年も続き、海は乳海となり、その中から天女アプサラや神妃ラクシュミーが生まれ、最後に不死の妙薬「アムリタ」が得られたという神話が描かれている。 |
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天国と地獄 第一回廊の南面東側には、死後の世界を表した「天国と地獄」が描かれている。これはアンコール・ワットが墳墓寺院であることの根拠とされている。3段に分割された壁面には、上段から極楽界、裁定を受けに向かう様子、地獄が描かれている。地獄では舌抜き、火責め、針責め、ムチ打ちなどの責め苦を受ける人々の姿や、エンマ大王に減刑を懇願する人々の姿も描かれている。 |
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地獄のレリーフ。 |