魯迅について

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写真は三昧書屋。

この建物は19世紀末の清朝末期に紹興で最も有名だった私塾である。

魯迅は、7歳から屋敷内で勉学を開始し、始めは親類の叔父たちに習っていたが、12歳になるとこの私塾に入学し、17歳までここで友人たちと一緒に学んだ。

 

中国現代文学の巨匠・魯迅は、日本でいえばさしずめ夏目漱石にあたる。

代表作である『阿Q正伝』や『狂人日記』は読んだ人も多いはずだ。日本に留学していた

こともあり、日本人にとっては比較的身近な外国人作家だろう。

魯迅は、1881925日、紹興の町の南部、都昌坊口の新台門の周家(魯迅の本名は

周樹人)で誕生し、少年時代をここで過ごした。新台門は周一族が長年住んでいた場所だ。

幼年時代の話は、魯迅自身が『故郷』という小説に書いているので読んでみるとよいだろう。

 魯迅は18歳になると、学問を究めるために南京に出ていったが、辛亥革命直前の1913

年に故郷へ戻り、紹興府中学堂や山会初級師範学堂で教鞭をとった。北京、広州、上海と

いろんな場所で暮らした魯迅だが、意外なことに、魯迅は実に人生の三分の一を紹興で過

ごしたのだ。

 もともとあった周家の広大な屋敷の大部分は戦禍などでなくなってしまったが、幸いにも魯

迅が暮らした家屋は破壊を免れ、それが現在、魯迅故居として一般公開されている。