ブルックナー/交響曲第8番ハ短調
Bruckner/Symphony No.8 C-minor
≪基本データ≫
【楽章】4楽章構成
- T.第1楽章:Allegro moderato
- U.第2楽章:Scherzo. Allegro moderato - Trio. Langsam
- V.第3楽章:Adagio. Feierlich langsam,doch nicht schleppend
- W.第4楽章:Finale. Feierlich nicht schnell
≪編成≫
- フルート3
- オーボエ3
- クラリネット3
- ファゴット3
- ホルン(5〜8thはワーグナーチューバ持替え)8
- トランペット(F)3
- トロンボーン3
- チューバ1
- ティンパニ1
- 弦5部
≪ミニチュアスコア≫
- 音楽の友社版(\1800+税)
※輸入版などあり。
≪HP管理者の曲論・極論≫
まずは最初に謝っておきます。すいません、
ブル8に関しては4楽章ばかり聞いているので、4楽章のコメントばかり
になると思います・・・。更に、版の問題もあんまり分からないです。
まず、この曲を聴くに至った理由です。それは、大学オケでトロンボーン
パートが、毎日のようにこの曲を合わせていたのがきっかけです。
凄くカッコ良かったのですが、それと同時に、非常にオルガン的な響きもある
なと思い、興味を持ちました。あとから知ったことだったのですが、
ブルックナーは生前は作曲家としてよりもオルガン奏者としての方が有名で、
その響きの理由に納得が行きました。
この8番を聴く前にも実はブルックナーの入門曲としてはちょっと難しめの5番は
高校時代から知っており、特に2楽章が非常に好きでした。何気に、ブルックナーの
曲で最初に買ったスコアも5番なんですよね・・・。
こうして、5番→8番→4番→6番→7番→9番と聴くようになったのですが、
8番は4楽章の始まりがインパクトがあり、よくトロンボーンがアンサンブルを
する箇所が冒頭に出てくることもあり、今もって好きな曲です。トロンボーンを
やっている人だけでなく、この曲は現在の映画音楽に繋がる凄くカッコイイ要素を
たくさんもっているので意外にも気軽に聞けるかもしれません。
よくよく考えてみると、ブルックナーの交響曲における金管楽器の使い方は、
現在の映画音楽の基になっているような気がします。同じブルックナーの
6番の1楽章の冒頭なんかも、映画音楽の何処かにそのまま出てきそうな
気がします(ちなみに、6番は、曲の編成的にも時間的にも、曲のメロディック
なところも、最初に聞くには丁度良いと思います。また、演奏するのにも入門
としては良いかもしれません)。ブルックナーというと、身構えてしまう人もいるかも
しれませんが、8番の4楽章は、聴き易いのではないでしょうか??
■スタニスラフ・スクロバチェフスキ/ザールブリュッケン放送交響楽団
Stanislaw Skrowaczewski / Saarbrucken Radio Symphony Orchestra
【データ】
- レーベル : ARTE NOVA(輸入盤74321 34016 2)
※国内盤あり
- 値段 : 時価
- 録音 : 1995年10月(DDD)2枚組
- 時間 : 1楽章=15:30 2楽章= 16:02
- 3楽章=28:14 4楽章=22:23
- カップリング:
- ブルックナー/弦楽三重奏ヘ長調よりアダージョ
■ライオネル・ログ(オルガン版)
Lionel Rogg
↑日本語の読みはこれで良いのかな??
【データ】
- レーベル : BIS(輸入盤BIS-CD-946)
- 値段 : 時価(\2000前後)
- 録音 : 1996年???(DDD)
- 時間 : 1楽章=14:55 2楽章=14:26
- 3楽章= 19:11 4楽章=19:31
- カップリング:
- なし
ブルックナーはオルガン奏者で、交響曲の
響きがあるんだから、オルガン版はあって当然!!って感じですが、あんまり
見かけません。それで見つけたのが、このCD。これを聴いて思うのが、
やはりブルックナーの交響曲はオルガンの響きだな〜というのが理解
できると思います。ただ、あれだけの編成の曲をオルガン一台でやるのも
多少不自然な部分があり、そういう箇所が何箇所か見られますが、
それは、フルオケとオルガンの違いですからしょうがないですね。
■野口剛夫/ジャパン・エレクトロニック・オーケストラ(エレクトーン版)
Takeo Noguchi / The Japana Electronic Orchestra
【データ】
- レーベル : Seelenklang(国内盤SK-2001/02)
- 値段 : 時価(\2000前後)
- 録音 : 2000年7月(DDD)
- 時間 : 1楽章=15:28 2楽章=15:54
- 3楽章=26:20 4楽章=24:55
- カップリング:
- ブルックナー/交響曲第9番ニ短調
一つ上のCDがオルガン版、そして、今度はエレクトーン版と随分とマニアックな
感じですよね。しかも、オーケストラをエレクトーンという電子楽器でやるなんて
何事だ!!と思われる方もいらっしゃるかも。ちなみに私は小学校1年〜大学2年
までエレクトーンをやっていて、「何!?エレクトーンでオーケストラ!?」と
思い、ついつい興味を持って買ってしまったんです。でも、これが意外に
いけているんですよね。ブルックナーの交響曲って、どれを聞いても非常に
オルガン的な響きがしますよね。だから、きっと、一つ上のようなオルガン版の
ようなCDが出るんだと思います。でも、やはり、音色的に寂しいですよね。
オルガンは、あれだけ色々音が出ますが、それでも本物のオケには勝てません。
それをある意味で克服したのが、このエレクトーン版なんですよね。一昔前の
エレクトーンは、ホント、電子的な音で、「ホントにこの楽器の音色なんか??」
と思うほどですが、最近は、真面目にスゴイですね。オルガンの音は、流石に
オルガンを元に作られた楽器ですから当然、当初から結構オルガンの音は
リアルでしたが、最近は、それぞれの音のピッチを変えたり、ビブラートを
マニュアルでつけたり、あの鍵盤でも非常に微妙なニュアンスが加えられる
ようになり、非常に表現力が大きく変わりました。ですから、「エレクトーン
とは何ぞや??」と思う方にも是非お薦めできますね。今後も、ブルックナー
のみならず、他の作曲家の曲も出して欲しいですね。ただ、弦楽器だけの曲や
室内楽・器楽はまだ無理があるかな・・・。
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